天下無双の呂布が最強の勇者になるより先に、とんこつチャーシューに夢中な件
ウチ、アイル。
ほな、ちょっとだけ付き合うてや。
「この店だ。包囲しろ」
外がざわついとる。
洛陽から追い出されたはずの呂布がおるせいやろな。
「オラ、どけぇ!」
けたたましい声が響き、呂布はなりふり構わず、厨房から青龍刀を両手に飛び出した。
「捕らえろ」
「とんこつチャーシューになりたい奴はかかってこいや!」
プロレスラーの決め台詞みたいなノリやな。
いや、今は〆(しめ)のお茶漬けを楽しみたい気分やし……プリンパフェでもええんやけど。
孔明は外の騒ぎを完全スルー。
劉備と関羽も同じや。
「関羽にお店の案内をしてもらいましょう」
大喬と小喬の姉妹ユニット『にゃんにゃん☆クイーンズ』の話で盛り上がっとる。
くそっ、今日は帰られへんな……。
あまりのカオスに、ウチの意識は遠のいた。
その瞬間、包囲網をくぐり抜けて、錬金馬の赤兎馬が呂布の元にやってきた。
『煌弓天翔』
呂布が叫び、放たれた矢が夜空に煌めいた。
その咆哮が野へと飛び散る。
「貫け! とんこつチャーシュー魂ィ!!」
どんだけ好きやねん!
そこまでやるか、呂布!!
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