劉備玄徳、アイドルに夢中
洛陽の名店「ふわとろ戦隊コナレンジャー」。
孔明と関羽―――漢たちの熱い戦いは、鉄板の上でも続く。
「おばちゃーん、生四つ追加!」
酔いも手伝って、気分は戦国の猛将そのもの。
いつの間にか、劉備玄徳が着座していた。
ねぎ焼きをじっと見つめ、箸を持ち上げる。
「む、これは……戦場よりも熱い一品じゃのう」
なんでやねん!
ツッコもうとした瞬間、玄徳の袖から、一枚のイラストが舞い降りた。
人気アイドルグループ「戦国女子」の小喬。
「江東の二喬」、美しくも可憐な少女だ。
イラストには直筆サインとメッセージ。
「玄徳さまったら、本当にエッチなんだから」と書かれている。
パパ活か?
関羽は顔色を変えた。
血相を変えて拾い上げ、玄徳の懐に無理やり押し込んだ。
「兄者! 殿は、わ、わたくしに任せてくだされ! ここは戦場、決して見られてはならないもの……!」
「わしはもう、隠すことに疲れたのじゃ……」
玄徳は遠い目をして、ぼそりとつぶやいた。
「関羽将軍。その推し活カードは、劉備様の真の姿を悟る上で、軍学よりも貴重な資料となりましょう」
孔明は静かに扇子を広げ、緩んだ口元を隠す。
なんかよう分からんけど、丸く収まったみたいやな。
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