洛陽の関羽、推し活に夢中!
ウチ、アイル。
大阪のミナミをブラブラしていた女。
「へぇ〜、こんなもんまで売ってるんか!」
ウチは洛陽の雑貨屋で目を輝かせた。
店の隅には、古びた巻物や奇妙な骨董品が山積みになっとる。
「この木彫りの人形、めっちゃブサイクやけど、なんか憎めんわ」
手に取ったのは、目が三つある変わった人形。
店主がニヤニヤしながら説明する。
「そいつはな、昔の武将が持ってた縁起物でな……」
でもウチの興味はすでに別の方向に。
店の奥から威厳ある声が響いた。
「何だこの絵は……癒やしをもたらすものか?」
声の主はあの関羽。
真剣な顔で、店主と値段交渉をしている。
「……何買うとんのや?」
こっそり覗くと、関羽が手にしていたのは大量の『推し活クリアカード』。
人気アイドルグループ「戦国女子」のメンバーイラストがびっしり描かれとる。
「な、なんやこれ……!」
思わずウチは吹き出した。
関羽が振り返った。
店主は顔を真っ赤にして説明する。
「そ、それは、戦場で怯える兵士を和ませるための……推しカードでして! 関羽様も兵士のために……」
ウチのニヤニヤが止まらへん。
「うわぁ……意外と可愛いとこあるやん」
関羽の顔がみるみる赤くなった。
「黙れ、小娘! 今日のことは劉備様には……!」
これはええネタになるな。
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