2201年・天王寺リベンジマッチ ~未来を変えるチートアプリ~
ウチ、アイル。
前世のリベンジマッチが始まる。
西暦2201年、秋。
大阪・天王寺。
学園の門前には、白鳳ノエル率いる柳生十兵衛の剣士部隊と、服部半蔵の忍び集団が布陣していた。
大阪・夏の陣が終わって、冬の陣に入る前に、世界を手に入れようとする敵が奇襲をかけてきたのだ。
「久しぶり。元気にしてた?」
ダークエルフのシルヴァーナが、明るい声で話す。
仲間たちのリーダー的存在。
その隣には、夫で時空魔法の使い手であるロウィンが力強く頷く。
「聞きたいことはあるだろうが、まずは敵を片付けよう。今回は俺も力を貸す」
大阪のギルド《ファントムレイダーズ》のマスター、イツキがやってきた。
奴は少し気まずそうに、頭を下げて謝る。
「スマン……愛琉が本物だとは思わんかった。あの時の衝撃が……頭をよぎって、軽率な発言をしてしもて……」
腹立つけど、今はそんなことどうでもええ。
「今は目の前の敵に集中せえ。二度と、あんな無様な敗北は許されへん。カッコ悪いやろ」
最強のスプレイヤーであるハルトと、魔神のルミナの距離が近い。
二人の間に、ウチの入る隙間はあらへん。
それでも、こうしてまた会えただけで、十分や。
ダークエルフの指揮官リルヴァナは、手にしたスマホを順に配りながら重く息を吐いた。
彼女はイツキの結婚相手。
「これは、未来から持ち帰ったものだ」
ウチに渡されたスマホには、千ものスキルが使える「女神のアプリ」が入っていた。
どれを選ぶか、考える時間はあらへん。
ランダムで選ぼか。
リルヴァナの表情が険しくなる。
「支援者の存在が、ようやく見えてきた……しかも、歴史に干渉している可能性がある」
その言葉に、シルヴァーナは穏やかに笑った。
「長い間、謎だったけど、やっとピンときたわ」
様々な情報が一気に頭に入ってくる。
未来の技術、歴史の干渉、そして目の前の敵。
このすべてが、「リベンジマッチ」に繋がっている。
スマホを握りしめ、ウチは覚悟を決めた。
「全員、生きて帰るで。それが、この戦いの唯一のゴールや!」
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