寝癖×胸ぺったんこ×強制転送――友情崩壊ラプソディ
ウチ、アイル。
気づいたら、友達がただの出禁客になっとった。
孔明と関羽の会話が、空気の読めないゴーレムから筒抜けやった。
「イツキは異世界から来たっていう、例の……」
「そうそう。酒場でアイルの耳に、イツキの噂が入るようにしたのに、無関心やったから……つい……」
「もうここで、イツキにいっちゃいなYO!」
「全て、ぶちまけてしまえ!」
お前ら、どんなキャラ設定やねん!
ゴーレムが会話を改ざんしてるんか?
ウチのこと、めっちゃ煽っとるやんけ。
「覚えてへんのか? ウチのこと」
イツキがこっちをじろじろ見てくる。
「……ちょ、待てや、お前、その髪型、うちの抱き枕の寝癖と完全一致やん!」
アホか。
斜め上すぎて、誰もついていかれへんやろ。
「違うわ。アイルや、ア、イ、ル!」
イツキ、完全にフリーズ。
時空魔法でも使ったんか、この小説のPVみたいな静止っぷり。
「さすが孔明やな。でも、似ても似つかへん偽物や。愛琉はな、胸がぺったんこなんや、世紀末レベルで……ほんでな……」
ウチ、聞く気せえへん。
即、強制転送。
ぷしゅーっ、マンガみたいに消えたイツキ。
「ぎゃはっははは!」
どこからか、アイツの声だけが残響してる。
もう、友達でも何でもないわ。
次会ったらマジで殺す。
でも、出禁やから、もう来れんやろ。
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