表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

162/218

【調理神威MAX!】 飢えた料理人軍団を打ち砕け――『復讐のスパイス』争奪戦

 ウチ、アイル。

 今、現場は大混乱や。

 麻辣マーラーオーラは、まるで生きている業火のように、目の前の黒い肉塊『制御不能の傲慢ごうまん』をめ尽くす。

 その熱は、調理場の常識をはるかに逸脱し、周囲の巨大な中華鍋の油を蒸発させ始めた。


「ええか、テイスティングの邪魔をした張飛の野郎への復讐ふくしゅうは、この肉塊を最高のスパイスにすることから始まるんや!」


 ウチの炎を受けてもなお、金剛石の如く硬く、びくともせえへん。

 その上、張飛の笑い声にも似た、不気味なオーラを周囲に拡散し始めた。


『カッカッカッ! 流石は『傲慢』! 並大抵の炎では、その凝り固まった自意識は溶かせませんよ、マスター!』


 ドクロスマホが甲高い声であおるが、ウチはすでにゾーンに入っとる。


「フン、この炎はな、後悔と憤怒と孤独、そして純粋な自己を煮詰めた、宇宙一自由な熱や! 溶かせへんもんがあるか!」


 その時、周囲の無数の調理人たちが、一斉に動き出した。


「やれェ! あの『傲慢』は我々が長年狙ってきた食材だ!」

「ゴッドミシェロンの炎に焼かれる前に、奪い取れ!」


 中華菜刀、鉄鍋、麺棒めんぼう、巨大なレードル。

 あらゆる調理器具が武器と化し、猛り狂う獣の勢いで、数十人の料理バトル勢が殺到する。


「ちっ、群れやがって! 最高の食材に触れるんちゃうぞ!」


 ウチは肉塊から動かず、左手の巨大な中華菜刀を水平に一振り。

 先陣の攻撃を、腕ごと断ち切る速さでいなした。

 熱でにじんだ汗は、瞬く間に蒸気と化した。


「ウチの料理は、自由や! お前らの雑念と欲望を、ダシにする!」


 刹那せつな、全身から、先ほど完成させたばかりの『自由の法則』が爆発した。


 ドォォン!!


 麻辣オーラの炎は、食材だけでなく、襲い来る調理人たちの全身を覆い尽くす。

 しかし、それは熱で焼く炎やない。


『自由の法則』が彼らの「ルール」や「常識」を侵食し、縛られていた調理の鎖を破壊し始めたんや。


「ぐ、ぐあああ! 俺の、俺の料理の絶対法則が、解けていく! この温度じゃ、点心は爆発する!」


 鍋の火加減が狂い、正確なレシピはバラバラに霧散し、長年の修練で培ったはずの技が崩れ落ちていく。


 ウチは無数の混乱する料理人たちをものともせず、ターゲットである肉塊の前に立ち続けた。


「最高の料理人はな、どんな妨害があっても、火を絶やしたらアカンねん!」


 肉塊に中華菜刀を突き立て、全身の麻辣オーラを一点に集中させる。


「燃え上がれ、『制御不能の傲慢』! ウチの“自由”で、粉々にしたるわ!」


 肉塊が自由の熱に耐えかね、ついに震え始めた。


 ギャリギャリギャリ……!


『マスター! この炎は『調理神威ランク・マ・ラー・MAX』を記録! ターゲットの次元結晶構造が崩壊を始めます!』


 金剛石のように硬かった表面に、亀裂きれつが走り、その中から、張飛特有の「熱血」の香りが立ち上り始める。


 それは、復讐のスパイスとして、完璧な芳香ほうこうやった。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ