【調理神威MAX!】 飢えた料理人軍団を打ち砕け――『復讐のスパイス』争奪戦
ウチ、アイル。
今、現場は大混乱や。
麻辣オーラは、まるで生きている業火のように、目の前の黒い肉塊『制御不能の傲慢』を舐め尽くす。
その熱は、調理場の常識を遥かに逸脱し、周囲の巨大な中華鍋の油を蒸発させ始めた。
「ええか、テイスティングの邪魔をした張飛の野郎への復讐は、この肉塊を最高のスパイスにすることから始まるんや!」
ウチの炎を受けてもなお、金剛石の如く硬く、びくともせえへん。
その上、張飛の笑い声にも似た、不気味なオーラを周囲に拡散し始めた。
『カッカッカッ! 流石は『傲慢』! 並大抵の炎では、その凝り固まった自意識は溶かせませんよ、マスター!』
ドクロスマホが甲高い声で煽るが、ウチはすでにゾーンに入っとる。
「フン、この炎はな、後悔と憤怒と孤独、そして純粋な自己を煮詰めた、宇宙一自由な熱や! 溶かせへんもんがあるか!」
その時、周囲の無数の調理人たちが、一斉に動き出した。
「やれェ! あの『傲慢』は我々が長年狙ってきた食材だ!」
「ゴッドミシェロンの炎に焼かれる前に、奪い取れ!」
中華菜刀、鉄鍋、麺棒、巨大なレードル。
あらゆる調理器具が武器と化し、猛り狂う獣の勢いで、数十人の料理バトル勢が殺到する。
「ちっ、群れやがって! 最高の食材に触れるんちゃうぞ!」
ウチは肉塊から動かず、左手の巨大な中華菜刀を水平に一振り。
先陣の攻撃を、腕ごと断ち切る速さでいなした。
熱で滲んだ汗は、瞬く間に蒸気と化した。
「ウチの料理は、自由や! お前らの雑念と欲望を、ダシにする!」
刹那、全身から、先ほど完成させたばかりの『自由の法則』が爆発した。
ドォォン!!
麻辣オーラの炎は、食材だけでなく、襲い来る調理人たちの全身を覆い尽くす。
しかし、それは熱で焼く炎やない。
『自由の法則』が彼らの「ルール」や「常識」を侵食し、縛られていた調理の鎖を破壊し始めたんや。
「ぐ、ぐあああ! 俺の、俺の料理の絶対法則が、解けていく! この温度じゃ、点心は爆発する!」
鍋の火加減が狂い、正確なレシピはバラバラに霧散し、長年の修練で培ったはずの技が崩れ落ちていく。
ウチは無数の混乱する料理人たちをものともせず、ターゲットである肉塊の前に立ち続けた。
「最高の料理人はな、どんな妨害があっても、火を絶やしたらアカンねん!」
肉塊に中華菜刀を突き立て、全身の麻辣オーラを一点に集中させる。
「燃え上がれ、『制御不能の傲慢』! ウチの“自由”で、粉々にしたるわ!」
肉塊が自由の熱に耐えかね、ついに震え始めた。
ギャリギャリギャリ……!
『マスター! この炎は『調理神威ランク・マ・ラー・MAX』を記録! ターゲットの次元結晶構造が崩壊を始めます!』
金剛石のように硬かった表面に、亀裂が走り、その中から、張飛特有の「熱血」の香りが立ち上り始める。
それは、復讐のスパイスとして、完璧な芳香やった。
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