借金ツアーの途中ですが、安定の法則をテイスティングだけして帰ります!
ウチ、アイル。
後悔、憤怒、孤独、そして純粋な自己という、最高のダシで「自由の法則」を完成させた女。
「どう見ても、ウチの方が喰われそうや」
中華菜刀を肩に担ぎ、正直に呟く。
普通に考えたら、逃げの一択や。
ドクロスマホが甲高い電子音で笑う。
『カッカッカッ。マスターの辞典に「逃げる」なんて言葉はありません。なるようになりますよ!』
スマホの脳天気な返答に、ウチは肩をすくめる。
「まあ、せやな。いっちょやったろか!」
ちょうどそのタイミングで――
玉座に座る竜宮城の主の『永遠の安定』が、ウチの「自由の法則」という無秩序を許すまいと、竜宮城全体に絶対的な拘束の圧力をかけた。
そして、城の外、夜空に静止していた孔明龍が、内部を狙い、その口から黄金粒子砲を放った。
竜宮城の絶対防壁を突き破り、建物が崩壊を始める。
孔明龍の頭上で、仁王立ちの張飛が叫んどる。
「その鍋が煮立つほどに、宇宙は燃え盛るぞ! ぐあっはっはっはぁ!」
なんでやねん。
お前が宇宙で一番暑苦しいくせに。
そう思った瞬間、ウチは転送光に包まれた。
ええとこで、邪魔されたな。
でも、今回は目的を達成したからええやろ。
ウチは必ず、パワーアップして戻るつもりや。
――その時、自由の香りがまた、宇宙のどこかで煮立ち始める。
それまで、命は預けておくで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!




