【一億五千万両!】借金が賞金に化けた、孔明の悪趣味な釣り針
ウチ、アイル。
命を懸けた借金返済の戦いや!
夜の都大路、路地裏。
巨大な電卓型の『理不尽な精算機』を掲げた「神廷護衛隊」のリーダーが、ウチを詰めてくる。
「くそっ、わかった! その画面を、全部『黒字』にしてやったるわ!」
ウチは、腰に提げていた中華菜刀を抜き、炎を纏わせた両手で高々と掲げた。
その時、ふと、薄暗い路地の壁に貼られた一枚の張り紙が目に入ったんや。
なんやて?
全身から噴き出していた激辛油煙が、一瞬で冷え込んだ。
そこには、デカデカと『賞金 一億五千万両』と書かれとったんや。
思わず五度見してもたわ。
精算機の画面に表示された借金の額と、一字一句、違わへん。
張り紙の上には、さらに大きな文字。
「赤壁大戦 参戦料理人募集」
「ふざけんな! 借金も賞金も、同じ額やて!? 偶然やない、これは孔明の悪趣味な罠や!」
ウチは即座に悟った。
孔明は、「次の法則の戦場」に送り込むための、最高の燃料(借金と報酬)を用意していたんや。
目の前の護衛隊リーダーは、驚きで目を見開いている。
「グッ……! まさか、この場所に、情報が……!」
ウチは炎を纏った包丁を振りかざし、その背後にある張り紙を一閃した!
バリバリッ!
張り紙が燃え上がり、その向こう側から、炎と水が渦巻く、巨大な戦場――神域の赤壁が、映画のスクリーンのように浮かび上がった。
「借金は料理で返す! それなら、最高の報酬がある場所へ行くだけや!」
ウチの体内の飢えが、一億五千万両という最高の動機を得て、『腹ペコ地獄』のオーラとなって噴き出した。
「行くぞ、赤壁大戦! お会計は、お立ち台で済ませたるわ!」
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