煮えたぎる魂の奴隷、神王の玉座を揺るがすゴッドミシェロンの怒り
ウチ、アイル。
体が、冷えとるやん。
意識を取り戻すと、全身が硬い霊草の鎖に締め上げられとった。
神廷護衛隊に捕縛されたときの、あの忌々しい霊草。
くそっ、あの酒が効きすぎやねん……!
目を開けると、そこは豪華絢爛な謁見の間。
宮廷内にこんなところがあるんか?
辺りには、重厚な甲冑を纏った「神廷護衛隊」が、彫像のように控えとる。
そして、玉座の上には――
「ふむ、これが噂の『ゴッドミシェロン』か。見たところ、ただの酔っ払った小娘だが」
王が、そこにいた。
その男は、蜀の皇帝、劉備玄徳とは似ても似つかない、絶対的な神威を放つ。
「我こそは、『理不尽な運命』を司る、この世界の真の支配者――神王である」
な…なんやて?
「我らが神王は、『魂を救う料理』を大変気に入られた。貴様には、王の永遠の糧として、無限に料理を捧げる栄誉が与えられる」
ウチの全身から、怒りのオーラが噴き出した。
でも、霊草の鎖がそのオーラを吸い取り、体内の麻辣熱を急速に冷却していく。
「ふざけんな! ウチの料理は、誰かの奴隷になるために作ってるんやない! 自由に作り、心を満たすために存在しとるんや!」
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