神殺しの食材調達! ミラクル聖少女と爆炎将軍を従えろ
オラ、アイル。
ダイナマイト玉がゴウにクリティカルヒットしたぞ。
その直後、厨房の重い扉が勢いよく開き、ネコミミメイドの萌えにゃんと共に、関羽と張飛が飛び込んできた。
爆炎将軍・張飛は、その名に違わず全身から湯気を立て、手に持つ蛇矛を床に突き立てる。
「誰だ? この女?」
ウチの服装と関西弁から放たれるオーラに、張飛がメンチを切る。
対するミラクル聖少女・ゆかりんこと関羽は、長い髭を優雅に撫でながら、ため息をついた。
「アイルを始末したのに、また新たなややこしい女が現れたでござるか?」
――今、何か大事なことを聞き逃してもうた。
(始末? まさか、関羽が爆破犯なん?)
緊張しすぎて、ウチは片言の日本語で確認する。
「ソレハダレノコト?」
子龍が無表情でウチを見据えた。
「忘れた方がいい。だがおまえには重要な任務を与える。神を御前試合で毒殺するという名目でな」
ド、ド、ドクサツ!?
ゴウの虹色オーラに肩を掴まれたまま、ウチは子龍の顔を見返す。
は……嵌められたんか!
「御前試合の審査員は、この蜀を動かす神だ。おまえの『ジャンクフード錬金術』は、奴らを昇天させる程の劇薬になり得る。その劇薬の材料は、宮廷の最も深い場所に隠されている」
「だから、爆炎将軍とミラクル聖少女を、君の専属食材調達係に付ける。彼らの権限があれば、宮廷のどこへでも入れるだろう。存分に、毒の調査を進めるがいい」
子龍が、意味ありげにウインクした。
あ、なるほど!
任務の建前は『神々を毒殺するための御前試合食材調達』。
実態は『宮廷全域潜入フリーパス』やな!
張飛が「チッ」と舌打ちをした。
「オレ様がただのドタコのパシリだと!」
すると、ゴウが虹色のオーラを放ち、張飛の口にダイナマイト玉を押し込んだ。
「ふごっ、んごっ!」
張飛は白目をむいてぶっ倒れるが、全身が虹色に輝きながら起き上がると、一言。
「おかわりは自由か?」
なんでやねん!
もう、ええわ。
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