表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/153

第8話:巂入国

「お前が兀突骨か。なるほど」


「ハハハ……」


 あの一隊が(すい)の端くれ? とんでもない。なんと高定さん御一行だった。交渉しなかったら死んでたよ、社会的に。


「ふむ……哀牢王殿からの紹介状もあるのか。ん? 何だ? 駱駝肉が欲しいのか?」


 白い目で見られたけど気にしないことにしよう。そう、スキルのためスキルのため。


「まぁ駱駝肉なら丁度居るし、御馳走してやろう」


 駱駝肉が居る……? あぁ、今から捌くのか。豪快な人達だなぁ。


「ありがとうございます。そう言えば、ついでと言ってはなんですが豚肉をどこかから仕入れることはできませんか?」


「お前は肉屋かなんかなのか? まぁ豚肉はもうちょい北に行かないと仕入れられないぞ? 残念だがウチにはない」


 なんかさっきからこの人の態度鼻に付くなぁ。まあ全く国交無い国の次期頭領とかどうでもいいか。そこら辺は蛮族だな。……人のこと言えないけど。


 さてこの人、記憶によると雍闓(ようがい)に従ったけど諸葛亮の調略に掛かって雍闓(ようがい)を殺した人じゃなかったっけ? 頭領が暗殺されちゃったからその後孟獲が頭領として出てくるんだよね、確か。あんまり仲良くする必要はないかな(適当)


 それはさて置き、また宴である。たったの半刻(約1時間)程で宴の準備が整ったのは驚いたよ。宴しなれてるな。流石遊牧民(偏見)


「兀突骨殿はこの後、どこに向かうつもりで?」


 宴が始まってからしばらくして高定さんに話しかけられた。駱駝肉? 食ったよ。勿論反撃は習得済みである。ところで呼び方が変わってるけど、宴が始まったらちょっと俺の立場が上がったらしい。なんで?


「あぁ、成都と長安を経由して洛陽に向かうつもりです」


 まぁ洛陽は燃えるから長安で旅が終わると思うけどね()


「そうですか、ならこちらを持っていって下さい。おおい、誰か来い! 葡萄酒を持ってきてくれ!」


  ん? 葡萄酒? これはもしかしなくてもこの世界に来て初めての酒が飲めるのでは? 今までの宴では12歳だからと酒を飲ませてもらえなかったりしたけど、此処で遂に……?


「こちらが葡萄酒です。朝貢用に持って行って下さい。あ、こちらで現物を飲むこともできますぜ?」


 うおおおおおおお! ワインだぁぁぁ!


 こうして酒にありついて飲んでいた俺だったのだが……

 

"特殊状態異常 酩酊 が付与されます"

 

「あぁ?」

 

"ステータスが再統合されます"

 

「なんだぁ?」

 

"暫くの間判断力が低下します"

 

「何言ってんだ? こいつ」


「どうかしましたかい? 兀突骨殿」


「え? あぁいや、なんか見えた気がして……」


「飲み過ぎでしょう。こちらでどうぞ寝て下さい。私も寝させてもらいます」


「お、おお、ありがとうございます」


 なんか丁寧だな、こっちが素か?


 なんだかんだあったけど、その後は其々に別れて寝ることになった。お決まりのように寝込みを襲われたり……はしなかったよ。てっきり夜討ちを掛けられるのかと思ったんだけどね。高定さんは思ったよりマトモな人物だったらしい。


 こうして、俺は何事もなく(?)朝を迎えたのであった。

ブックマーク、☆ポイント、感想での応援ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
一瞬、高定さんに“アー”されるのかと思ってしまいました(^_^;)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ