表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/164

第40話:張繍討伐

――1人称side――


「あぁぁぁ……やぁ!」


「はぁ!」


 馬を走らせて陣の右翼に到着するとそこではオッサンが二人で打ち合っていた。事前に張遼が白い毛を兜に付けているって聞かされてたから直ぐに分かる。間違ってももう一人の赤い毛のオジサンじゃ無いだろうからね!


「張遼殿! 助太刀いたす!」


「おお! 兀突骨(ごつとつこつ)殿!かたじけない!」


 あと今気づいたけどこれ一騎打ちじゃないな。高順と龐徳(ほうとく)が周りの敵を蹴散らしてるから結果的に一騎打ちになってるだけだな。


 なにはともあれ俺は馬から下りて盾を構えながら張繡(ちょうしゅう)に突進する。勿論スキルは発動済みである。


「くうっ、二対一とはなんと小癪な!」


張繡(ちょうしゅう)殿! お命頂戴いたす!」


「ふはっ! まだお前のような若造には負けんわ! 申せ、名はなんと言う!」


「我が名は兀突骨(ごつとつこつ)! 中華で名声を高めるため、張繡(ちょうしゅう)殿を討つ男だ!」


「はっはっは! その意気込み、何処まで続くのか見てやろう!」


 そう叫んで張繡(ちょうしゅう)は横に矛を振る。俺はそれをしゃがんで避ける。そして矛を張遼が斧で受け止めたのを見計らって立ち上がり、馬の側面を盾で押した。


「なっ!」


ヒヒィン!


 馬は急にバランスを崩されたことに驚いて暴れ始めた。堪らず地面に転げ落ちる張繡(ちょうしゅう)。鑑定した際に乗馬系のスキルが殆ど無いことから薄々思ってはいたけれど、やはり張繡(ちょうしゅう)の乗馬技術はそこまで凄くはないらしい。なお、張繡(ちょうしゅう)の名誉のために言っておくとこの場に馬術に秀でた人は張遼しかいない。ここからは兀突骨(ごつとつこつ)張繡(ちょうしゅう)の白兵戦(張遼のみ馬)である。


 素早く足を払いながら突きをかましてくる張繡(ちょうしゅう)の矛を兀突骨(ごつとつこつ)は鎧で止めて肉切り包丁で斬り掛かる。最早殴りかかったと言ったほうが正しいその一撃を張繡(ちょうしゅう)は矛の柄で受け止めた。そのまま払い捨てたと思ったら今度は張遼の斧が大上段から振り下ろされてきて、それを張繡(ちょうしゅう)は素早く避ける。


「ふんっ! 中々やるな!」


 そう言って張繡(ちょうしゅう)が笑う。今の打ち合いで張遼の方が脅威だと感じたのだろう。張遼へと向き直ると矛を勢いよく振り被った。だが仮にも南蛮育ちの脳筋を、馬鹿にしてもらっては困る。兀突骨(ごつとつこつ)張繡(ちょうしゅう)の足を払うと、足を取られて張繡(ちょうしゅう)は地面に伏すことになった。足を払われた張繡(ちょうしゅう)の首の上に肉切り包丁が振り上げられる。


「何か、言い残すことはあるか?」


「……これは見込み違いであったな。中々やるではないか」


 驚いた顔で、地面に倒れながら張繡が言う。


「ふっ、今更言い残すことなぞ何もない。戦場にて気を抜いた時点で我の負けだ、若造よ。我の首を手柄とするがいい」


 それを聞いて兀突骨(ごつとつこつ)は肉切り包丁を振り下ろした。こうして張繡(ちょうしゅう)の首が地面に転がったのである。


「張遼様、兀突骨(ごつとつこつ)様が敵将張繡(ちょうしゅう)を討ち取ったりぃぃぃーーー!!!」


 後方で戦いを注視していた旗持ちが大声で叫ぶ。瞬時に敵陣に動揺が走り、敵右翼は総崩れとなった。そんな中で一段落ついた龐徳(ほうとく)と高順が駆け寄ってくる。


兀突骨(ごつとつこつ)様、ありがとうございます」


兀突骨(ごつとつこつ)殿、この度は助かった。礼を言う」


「いえいえ、私は助太刀をしたまでです。討ち取ったのは張遼殿ですし、お二人が雑兵を寄せ付けなかったからこその手柄でしょう」


 こうして張遼を含めた4人は陣の前線で労い合うのだった。あ、下はサラッと複写した張遼のステータスね?なんか馬超とそっくりだな……。


————————————

PN:張遼(26) LV:41

種族:漢民族

称号:騎都尉

HP(体力):50

STM (スタミナ):60

STR(筋力):80

DEX(器用):30

AGI(敏捷):90

TEC(技量):45

VIT(耐久力):90(285)

LUC(幸運):15

特殊スキル:無し

スキル:突撃EX、鉄蹄、急襲、不屈、騎兵応用2種中1種(捨て身)、歩兵応用4種中2種(激戦、突進)、弓兵基本1種(回避)、方士基本1種(正気)、方士訓練5種中1種(疾風)

装備

左右:戟

頭:召虎兜

胴:金色の鎧

腰:濃紫のベルト

足:紫糸の佩楯

アクセサリー:無し

————————————




――3人称side――


「……ほう、あの男なかなかやるな」


 遠くの崖の上に登って戦闘の一部始終を眺めていた男は巻物を片手に言った。


「指揮ばかりしていたからてっきりそちらしか能がないと思っていたのだが……。腐っても南蛮、腕っぷしも強いということか」


 そう言い残すと、男はさっと姿を消した。

ブックマーク、☆ポイント、感想での応援ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 お、張繍ここで退場ですか…ということは曹昴・曹安民・典イの運命(あと曹操と離婚する丁氏)も変わりそう? あとは曹操がお手付きした美人の未亡人さん(鄒氏でしたっけ?)の運命もどうな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ