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第2話:キャラクターメイキング

「ここがキャラクターメイキングか……」


 目を覚ますと俺は何もない真空のような空間に浮かんでいた。眼の前には半透明の青いウィンドウがあるのみ。文字は白く、ゲーム特有のデジタルフォントで表示されている。なんとも不思議な感覚だ。


「ふむふむ……? 衣装とかを設定できるのか。お、ここにスキルもある」


 ウィンドウを押すとスキル一覧が表示され、一覧からスキルを見て選ぶことができるらしい。数多くのスキルが次々と表示されるが、前作からプレイを続けてきた俺にとってはどれも見慣れた文字列である。


 『回避』『鉄蹄』『鬼影』『反撃』……様々なスキルが並ぶが、俺の狙いは最初から決まっている。目当ての『複写ビルド』を組むため、一般スキル欄を飛ばして専用スキル欄へ。その中から……あった、『複写』と『鑑定』。これで準備は万全だろう。複写ビルドとは、他人のスキルをコピーして手に入れるというプレイスタイルのことだ。他人のステータスを鑑定して複写するというのが基本で、公式にまで黙認されたチートコンボである。


 あとは……これだな、WEBウィンドウ。前作では普通のゲームだったせいで「ゲーム中にGoo●leと繋ぐだけのスキルとかゴミだろ」「そんなの別タブで●oogle開けばええやん」「雰囲気ぶち壊してくんのマジでクソ」とか散々に言われていたこのスキルだが、今回のゲームはVRMMO。一々ログアウトしてGoog●eを開けるわけにはいかないだろう。まあ他のスキルは最悪他人から複写スキルを使って文字通り複写すればいいし、これで大丈夫な筈だ。


 そしてこのゲーム、ステータス欄も結構ある。初期ステータスは弄れないっぽいけどHP(体力)、STM (スタミナ)、STR(筋力)、DEX(器用)、AGI(敏捷)、TEC(技量)、VIT(耐久力)、LUC(幸運)の計8つの要素があるらしい。器用って言うのは魅力とか知力なのかな? んで、技量っていうのが統率力とか政治力であると。おいこいつ、DEXとTECだけ馬鹿みたいに低いな。もしかしなくても脳筋じゃねーか。


 で、あとは容姿だが……なんでこの筋肉ムキムキのおっさんになるしかないんだ? ほかに設定は? あ、年代を選べる。試しに若返らせてみると子供になった。幾分かマシになったものの、容姿を弄れないのは納得出来ない。加えて言えば、性別変更すらも出来ないという。まさか現実の性別準拠ってことか? 解せぬ。


 仕方がないので子供のおっさん(12)になって始めることにした。もしかしてどうやって年をとってもああいう風になっちゃうのかな? それはそれでヤダな。


————————————

PN:***(12) LV:1

種族:**

称号:【**】、【****】、【***】

HP(体力):50

STM (スタミナ):20

STR(筋力):50

DEX(器用):5

AGI(敏捷):10

TEC(技量):5

VIT(耐久力):50(150)

LUC(幸運):30

特殊スキル:***

スキル:複写EX、鑑定EX、WEBウィンドウEX、巨象、暴烈

装備

左右:肉切り包刀

頭:草冠

胴:藤鎧

腰:革のベルト

足:無し

アクセサリー:勾玉の首飾り

————————————


 なんかこうなっちゃったな。暴烈はともかく(暴烈は張飛とか呂布に付いてる)巨象って孟獲(もうかく)についてたスキルじゃなかったっけ? なんで初期で貰えるんだろう……。装備は付けるか外すかしかないし、しかも名前すら伏せ字だし。始めてからのお楽しみってか? 意味分かんねぇよ。

 

"これで転生しますか?   はい/いいえ"

 

 ……このゲーム、始めることを転生って言うのか? マジでちょっと変だな。ま、最初のVRMMOだし大目に見てやるか。はいっと。


 こうして、数徹して脳が死にかけていた俺は、特に深く考えずに『はい』を押す。その瞬間、白い光が視界を埋め尽くし、その眩しさに思わず目を閉じる。そして次に目を開けた時、俺は既に三国志の世界へと投げ出されていた――。

だってVRゲームじゃないもん。


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