第11話:反董卓連合軍
初平元年(西暦190年)1月
――3人称side――
「何? 反董卓連合軍の結成じゃと?」
「はっ、広陵の張超、陳留の張邈、兗州の劉岱、豫州の孔伷、東郡の橋瑁、山陽の袁遺、冀州の韓馥、河内の王匡、長沙の孫堅、洛陽から落ち延びた渤海の袁紹、袁術、曹操、鮑信、張楊、於夫羅の16名が主導しているようです」
「随分多いな……。於夫羅とは?」
「どうやら南匈奴の将のようです」
「本当に知らない奴ではないか。この前の兀突骨みたいな奴なのかのう……」
「取り敢えずこの際如何致しましょう。荊州では劉表が統一の為に軍を張っておりますが」
「ここで動くのは悪手ではないか? このまま傍観せよ」
「いや、しかしここで董卓を討てますと天下に近づけますが……」
「劉表が軍を張ってるのに動けるか。まあ兀突骨然り、南蛮の奴らも少しずつ従っていているようじゃし、取り敢えず漢中付近に兵を出しておけ。そうだな、兀突骨の護衛とでも言っとけばいいじゃろ」
「御意」
――1人称side――
「……なんか護衛つけてくれたのは有り難いんだけど、怖くないですか?ねぇ……」
「これが劉焉様の命令であるため、ご了承下さい」
「はいはい、分かりましたよ……」
成都を出発して暫く。後ろから沢山の軍隊が追いかけてきたと思えば護衛をしてくれるとのことだった。そのトップが厳顔さんである。この人鑑定してみたら騎兵基礎スキルを全部持ってた。行軍もあったし、あれ? リアルチート?
「漢中まで護衛させていただきます」
「はぁ……」
そう言えば少し前に布岳さんから反董卓連合軍の結成を知らされた。流石に詳しい内情までは分からなかったようだけどリアルタイムで教えてくれるだけでも凄いと思うよ。
だけど問題はその中に袁紹や袁術という袁家が入っているということ。これが世論を反董卓にしている。この時期はまだ曹操が袁紹の裏に居るから警戒されてないのか。
「……もしかしてこの兵は董卓様の後詰めですか? それならば納得ですが」
「……それは機密なので教えられません」
いや厳顔さん、ちょっと空見てるけどそれそうですって言ってるのと同じだからね?
「機密ですか……まぁ護衛よろしくお願いします。そう言えば漢中の張魯は確か劉焉様と敵対していた筈なのですが、刺激することにはならないのですか?」
張魯とは劉焉が抱え込んだ宗教指導者である。漢からの独立の言い訳に利用した人であり、表向きには劉焉と敵対しているのだ。ちなみに漢には「張魯のせいで連絡が取れません」と言ったらしい。手口がゲスいね。
「……そ、それも機密です」
機密多いね。
「まぁそれはそうと厳顔殿、これからもよろしくお願いします。蜀で何かあるようでしたら私も協力致しますので」
「……相分かった。しかし兀突骨殿、蜀で何か起きると?」
「い、いや、荊州の劉表や反董卓連合軍など色々きな臭いもので……」
「そうか。まぁそういうことにしておこう」
危うく劉焉の死に関するゴタゴタを口に出す所だった。予兆も無いのに劉焉の死を予言したらどうなるかって? 俺が毒を盛ったと思われて首が飛ぶだけだよ。兎も角、口に出すことは避けられたんだ。それだけでも良しとしよう。
あっぶねぇー……。
自分で見てもちょっと文章が酷いんですけど、今更手直しするのも難しいので、気紛れに作品を何個か別に投げることで皆様に退屈凌ぎをして貰おうと思ってます。小噺集の方、別で気紛れ更新をしていきますので宜しくお願いします。
https://ncode.syosetu.com/n3843jy/
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