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第15話 迷う必要なんてなかった

「ほら……言えば楽になれますよ……?」


僕はゴクリとつばを飲み込む。

甘い声と押し付けられる魅力的な2つの大きな果実の連携攻撃で僕の理性はどんどん削られていた。


「私のものになってくれるなら私の体を好きに使っていいんですよ……?」


シャーロットを正直見くびっていた。

ここまで直接的に僕を狙ってくるとは思っていなかった。

聖女の純潔を捧げた相手は勇者へと成る。

だから手を出してしまったら責任を取らなくてはいけないどころか命を差し出したところで責任を取りきれるかすら分からない。


「ゆ、勇者は……王子なんじゃ……?」


「私があの人を選ぶ?誰がそんなこと言ったんですか?そんな嘘をアランくんに教えた人は許しません」


一気にシャーロットの目から光が消えた。

一体何をしたら普段は温厚なシャーロットにここまで嫌われるのだろうか。

とにかく迂闊うかつなことを言うと犠牲者が出かねない。

ここはなんとか誤魔化さなくては……!


「う、噂で聞いただけだよ。ほら、歴代の聖女と王子はよく結婚してたでしょ?それで噂になってたんだよ」


どうやら王子は禁句ワードのようだ。

この前の僕への告白といい展開が原作と変わり過ぎじゃないか……?

だからこそ今僕は生きていられるのだけども。


「あんな人を選ぶわけがありません。私の純潔を捧げたい人はこの世に1人しかいませんから」


そう言ってシャーロットは僕を見つめる。

もはや逃げることはできない。

これは最後の分岐点なんだ。

今この瞬間、決めるしかなかった。

シャーロットを受け入れるのか……拒絶するのか……


色んな思いが頭を巡る。

シャーロットを守りたい思い、激重な感情についていけるかの不安、一緒にいたいという気持ち、世界を守る重責を担うことになるプレッシャー。

頭がぐちゃぐちゃになってくる。


「アランくん……」


「……!」


ふと、シャーロットと目が合う。

そのとき、僕は自分が本当はどうしたいのか気づいた。

確かに僕はシャーロットが激重感情を持っていたことに驚いたし戸惑った。

でもシャーロットはシャーロットじゃないか。


昔と変わらない可愛らしい笑顔。

人を気遣うことができる優しさ。

努力家なところ、真面目なところ、友達想いなところ、他にもいっぱいシャーロットのいいところを知っている。

多少重かろうが嫉妬深かろうがいいところは変わらない。

可愛いことに、愛しいことに変わりはないのだ。


そんな考えがスッと染み込んできた。

何も迷う必要なんて……なかったんだ


「シャーロット、やっとわかったよ」


「……?」


「僕は君のことが好きだ」


「……っ!!」


あぁ……ちゃんと言えた……

今思えば初めて出会ったときから好きだったのかもしれない。

ずっと心に残っていたモヤモヤが消えていくような気がした。


「本当……ですか?」


「もちろん。僕が嘘をついてるように見える?」


「見えないです……だからこそ信じられなくて……」


シャーロットの頬を一筋の涙が伝う。

その涙は止まることなく次々とあふれる。


「す、すみませっ……嬉しくて……涙が止まらないです……」


「待たせちゃってごめんね」


僕はサラサラとした美しい銀髪を優しく撫でる。

シャーロットは僕の胸に顔を押し当てて声を上げて泣いた。


「本当です……ずっと……ずっと待ってたんですからね……」


「ごめん。許してくれると嬉しいな」


「許します……こうして私を選んでくれましたから……」


そう言ってシャーロットは俺の首元に手を回す。

顔の距離は近く僕たちの間は5センチほどしか無かった。


「アランくん……約束通り私の全てをあげます……だから……」


「わかってるよ。僕の全部をシャーロットにあげる」


そう言って僕たちは唇を重ね合わせた。

そっと触れ合うだけの優しいキス。

数秒して離れると再びシャーロットはキスをしてきた。

今度は唇をこじ開け舌を入れてくる。


「むぐっ……!?し、シャーロ……んっ……」


「くちゅ……ちゅ……んっ……ぷはぁ……」


シャーロットはようやく離れ僕たちの間に光る一本の線ができる。

シャーロットの目はすでに蕩け息を少し荒げていた。


「もう我慢しなくていいってことですよね……?」


「お、落ち着きなよ!流石にそこまで行くのは時期尚早じゃ……」


「そんなことありません♡私達はもう心は繋がってますから♡」


どんな理論だよと思う。

だけどシャーロットはさっきよりも胸を押し付けてきて意識がそっちに行ってしまう。


「それに……この子はもうやる気みたいですよ……?」


そう言ってシャーロットは僕のムスコを優しく撫でた。

自分からやったくせに少しビクッとしていた。

そして……僕の理性の糸は完全に切れた。


僕たちは一晩中愛し合った。

そして、この日が後の世の教科書にも載ることになる初代勇者の再来と言われた勇者アランの誕生の日となったのである。

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