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詩[思索]

ガラスの小瓶

作者: 日浦海里

触れると壊れそうだからと

触れないままでいるのは優しさ


けれど


触れると壊れそうだからと

遠巻きに見ているのは優しさか




傷つきひび割れた硝子の小瓶に

水を貯めることは出来ない


どこからか染みだした水滴は

小瓶の足下を濡らして溺れる


それでも


手放せなくてと飾り置く


それは誰のための感傷だろう




ひび割れたから

もう使えないから


そう言って手放すことは

無情なのかもしれないけれど


そうして遠巻きに眺められるだけの小瓶は

果たして幸せなんだろうか


それでも幸せなのかもしれない


持ち主の側にいることが出来る、そのことが


本当は終わらせたいかもしれない


在るべき姿でないままに無為に過ごすその時を




だとしても

触れると壊れそうだからと

触れないままでいるのは優しさ、なんだろう

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― 新着の感想 ―
[一言] 腫れ物に触れるように。 尊い存在を影からそっと。 優しさとは何か…… これは、ねー、需要と供給の組み合わせ っちゅ〜か 存在意義がね…… 何処からか水が漏れてしまう私を、どうぞ大事…
[一言] もしも自分がガラスの小瓶だったとしたら、どう考えるだろうと思いながら読ませて頂きました。 持ち主のことが好きで、ただ傍にいられるだけでもしあわせだとすれば、このままでいたいと思ってしまうかも…
[良い点]  遠くから見られるだけでも近くにいられる方がいいのか。  役目を果たせないのなら終わる方がいいのか。  小瓶はどちらを望むのかは、わからないですが。  触れないことが優しさだとしても…
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