伝説のバンドの伝説曲
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会場の興奮度は最高潮、全員が私の作ったエリサーナ像を握りしめて登場を待ちわびている。
そしてアネットの口上に合わせてメンバーがステージに上がっていく。
「皆様、大変長らくお待たせいたしました!
まず初めに登場していただくのは」
ドゥルルル、、、
「神は彼女を愛しすぎたのか、
類まれな美しさ、
キレのあるダンス、
ピアノを弾いたら超一流、
だけど彼女の本領は聴く人全てを虜にする美声!
唯一無二のボーカル、ハーピー族の『歌姫』、、、
パァァァメルァァァ!」
会場が本日一番の盛り上がりを見せる。
(アネット、デスメタルに傾倒するのは良いけどその巻き舌はやめて。どこの格闘技イベントよ)
「続きまして、
身体は大きくても声が小さいシャイガール、
クルクル動く耳は可愛らしいけど、その右手は超絶技巧。
聴く人全てをシビれさせる凶器
『史上最高』のギタリスト
ロバ族のフリィィィィィダァァァ!」
(アネット、たぶん後でフリーダに蹴られるわよ?)
「さて、続いて忍び寄るのは、
クリクリした瞳にスリムな身のこなし、
そんな姿からは想像できない安定感。
ただ一度彼女が遊び始めると聴く人全てが跳ねだしてしまう魔性のリズム
『魔術師』の異名を持つベーシスト
猫族のヘェェェェェゼルゥゥゥ!」
(アネット、たぶん後でヘーゼルに引っ掻かれるわよ?)
「そしてその魔術師の相棒の登場です。
愛らしいベビーフェイスとペタンコの耳、
妹にしたいランキング堂々の1位、
彼女にしたいランキング11位、
お嫁さんにしたいランキング98位、
愛され上手な彼女ですがそのスティック捌きは縦横無尽
『壊し屋』と呼ばれるドラムス
犬族のボォォォン テェェェェェン!」
(アネット、貴女のこと忘れないわ)
「お待たせいたしました。
最後に紹介するのはもちろんこの方。
もはや何も語る必要はありません。
『ロックの伝道師』『御使い様』こと
ヒィィィィィメカァァァ!」
(あれ?私の紹介短くない?)
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MCなんて必要無い、想いは全て演奏に込めるから。
どんな伝わり方をしてもいい。
誤解を恐れずありのままの私たちを表現して熱を伝えたい。
会場に揺れるエリサーナ像が七色に光っている。
皆が最高に盛り上がっている証拠だ。
ねぇ、見てる?エリサーナ様。
今ここには1万5千人もの観客が集まってるみたいよ?
日本武道館でも超満員にできる人数。
満足かしら?
貴女の願いを叶えることができたんだから
私のワガママも少しだけ聞いて。
この時間が
皆との時間が
一秒でも長く続いてほしいの。
そして私の言葉で最後に伝えさせて
『ありがとう』って。
ありがとうございました。
2章~12章くらいの構想はできてるのですが、、、
いつかお披露目したいと思います。