伝説のバンドの伝説曲
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「ヒメカ~!起きてる~?」
王城の客間をノックしながらヘーゼルが大きな声で呼んでいる。
(普通こういうのってメイドさんが呼びに来てくれるものじゃないのかな?)
準備万端な私はヘーゼルを向かい入れる。
「そろそろご飯食べて会場入りしないと始まっちゃうよ」
今日の音楽祭、私たちはもちろん最後だけどそれまでに出演してくれるグループにも興味はある。
「誰がどんな風に盛り上げてくれるか楽しみだね♪」
私たち以外の出演者はアネットに任せていて知らされていない。全てがサプライズゲストだ。
非常に楽しみである。
「いっぱい食べていっぱい楽しもう!」
食堂に着くと他のメンバーは既に着席していた。
・・
「フリーダごめんね。考え事してたら時間忘れちゃってたみたい」
「ヒメヒメ、大丈夫?」
「ボンテンもありがと。今日は全力で楽しもうね」
「ヒメカ、、、」
「パメラ、私の覚悟は決まったわよ。そんな顔をしないで、最後まで笑顔で、ね?」
彼女とはこの世界に来てからずっと一緒だった。
でも別れの言葉なんて交わしてない。
初めて出会った夜と同じく視線がぶつかり逸らすことができない。
「もう!二人とも見つめすぎ!早く食べて行こうよ!」
・
ヘーゼルとフリーダに急かされ昼食を食べ終わると決戦の地へ向かった。
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「ご来場のお客様、20時までは全て自由席なので是非前の席で盛り上げてくださいね」
アネットが司会席でアナウンスをしている。開場したばかりにもかかわらず客席がどんどん埋まっていく。
するとイベント開始の合図もないのにピアノの音が響いた。
「ヒメカ!見て!」
ステージ上のピアノにはウルードさんが座って優しい曲を弾いている。
(彼も手伝ってくれたんだ。本当に今までの出会いに感謝だよ)
その間にも続々と席は埋まっていき、ほぼ満席となった。
司会のアネットがイベントの開始を宣言しようとステージに上がる。
その時、突然黒づくめの集団が舞台を占拠した。
「あれはメロデス教だ!」
『音楽と芸術の女神エリサーナ』に対し『破滅と混沌の女神メロデス』
王国の闇の部分を象徴する存在で麻薬や人身売買を扱っていたため新しい国王に代わった時に壊滅させられたはずだ。
私たちはメロデス教の集会に殴り込み、ライブバトルを制して皆の洗脳を解き一件落着したと思っていた。
リーダーと思われる人物がステージの中央で叫んだ。
「なにが音楽祭だ!!
なにがエリサーナフェスティバルだ!!
俺たちがこんなイベント
ぶち壊してヤルZeeeee♪」
「アネット!ウルードさん!」
二人は人質に取られて、、、
いなかった。
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