文花
姪の名前は文花と言う。
私の妹、月美の娘で今年で高校1年生。
とは言え、最近の色々で入学祝も言ってなかったりする。
そんな事もあって、私は、少し早めに姪を迎える準備をしていた。
アップルパイは、妹の好物なので箱につめ、
お祝いとお小遣いを包み、最近、お茶の間と化している縁側に、お気に入りのキルティングのシートを敷いて、文花が小さな頃にままごとで使った、小さなテーブルを用意した。
これは、父が初の孫娘の為に用意したもので、久しぶりに戸袋の奥から引っ張り出してきた。
カップは、ワイルドストロベリー柄の高級茶器。
同僚の結婚式の引き出物だ。
私の若い頃は、国内外の高級ペアカップが、引き出物に使われていた。
とても好きな茶器ではあるが、気を使うので殆どしまいっぱなしだ。
「お姉ちゃん、ズルい。」
ふと、妹の膨れっ面が頭に浮かんで微笑ましくなる。
妹は、このカップを欲しがったが、私は、あげる気はなかったし、月美の誕生日のお祝いにケーキ付で登場するだけで、そのうち満足をしたようだった。が、私の結婚が決まったとき、月美は少し照れたようにうつ向きながら、
「イチゴのカップは、私のだから。使わせないでよ。」
と、言ってきたなぁ。
可愛かったけど妹も、もう、このカップの事など、忘れているに違いないと考えると、懐かしくも切なく感じたりする。
なんて、考えながら待っていると、玄関に人の気配がする!
文花ちゃんだわ( ´艸`)
私は、廊下を小走りに玄関へと向かうと引き戸を開ける。
「こんにちは、おばさん。」
文花の挨拶を少し戸惑いながら聞いた。
身長は160cmくらい。私は少し背を超されたのを感じる。が、横幅は、すっぽりと私の体に収まりそうなくらい細い。
「こんにちは。まあ、あがって。」
久しぶりに会う姪の姿に少しドキドキする。
文花は、細い縦線の前ボタンのシンプルなワンピースに白いサンダル姿。
つばの短い麦わら帽子をとると、ショートカットの黒髪が、はしゃぐ様に宙に舞う。
すいません、文花ちゃん、高1ですm(__)m




