女神降臨
炭酸水に自家製の梅酒を少し、細かい氷をたっぷりいれて私は部屋へと戻る。
ノートに書かれて行く内容に、里山から奥の山に迷い混んだような不安な気持ちになる。
頭のなかで、テラフォーミングした火星が広がる。
サクラメンサの渓谷に水が流れ、小人属の小豆とぎが夏をそこで暮らしていた。
荒野草の広がるルナ平原には紫の甘い香りの花を求めて、蜜蜂と妖精が集まる。
ヒース。基本は夏に咲く紫の花をイメージして使われるようだが、
実は種類の違うヘザーと言う名の花達も含めて荒野に四季を通して咲き誇り、ヒースやらヘザーと細かく分けて表現する人ばかりでは無いらしく、荒野に咲く花をヘザーとまとめて呼ぶ人もいるらしい。
「皆、桜でいいじゃない。」
と、陽気によっては桃と桜が同時期開花をする事のある土地柄、酔っぱらってそんな雑な花見をしていた叔父さんをもつ私は、変な納得感とリアリティを感じたりする。
ので、荒野草でヒースと呼ぶことにした。
アイルランドの妖精の話を昔読んだことがある。
アイルランドやスコットランドの妖精は、このヒースが好きで、満月の夜、良く集まるのだそうだ。
この時、人の世界と繋がることもあるらしく、月に集う。
そして、月の光の下で輪をかいて踊るのだ。
それを目撃した人間は、踊りの輪に誘われて、この時、妖精の国の食べ物を食べてしまうと、もとの世界には戻れなくなるのだそうだ。
妖精の国の入り口は、地下に続く洞窟の中、この世と地獄の間にあるらしい……。
ふと、少し前に見たUFO特集を思い出した。
宇宙人とアメリカ政府が共同研究して、ワープゾーンを使って火星と地球を行き来しているとか…
確か恐竜もそこでは生活してる…
案外、昔の言い伝えは宇宙人と関連があるのかもしれない…
あああっ(>_<。)ダメっ、そっちに振れてはダメよ私っ。
私はサイダーをあおり飲みして首を横に振りながら、嫌な妄想を振り払う。
火星の話なんてどうでもいい。今は私は『異世界』を作り上げなきゃいけないんだわ。
そして、一万字の物語で、500円。そう、モーニング一食分を稼ぎたいのよっ。10月位までに!
火星なんて考えていたら、いつまでも投稿なんて出来なくなるわ(>_<)
私は、軽快な音楽をかけながら邪念を祓う。
が、それよりも協力な女神降臨のベルがなる。
奈津子から電話が来たのだ。




