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ラジオ大賞  作者: ふりまじん
投げ銭大将
78/111

小豆とぎ

ヒロインを決めたので、客を設定することにした。

火星の地図は借りてはいても、物語の舞台は異世界。

砂だらけの火星と違い、こちらのサクラ・メンサは深い谷で、地下水が流れてきては、美しい貴石やら砂金をもたらしてくれる。


ルナ平原には、ヒースが繁り、夏至が終わって、二つの衛生(つき)が夜を照らすと、妖精達がこの平原に集まってお祭りをする。


ナンシーは、この祭りに遊びに来る妖怪たちに物語を話すの。

そうして、対価に彼らから宝石や金を貰って生活している。



この、対価を持つ…ナンシーのお客で、私の読者の視線をもつキャラクター。

これを小豆(あずき)とぎ族の妖怪にしようと思った。


はじめは適当に思い付いただけの「小豆とぎ」

調べるとなかなか面白い。

「♪小豆とぎましょか〜人とって食いましょか〜」

と、夜に歌うと言われる妖怪小豆とぎ。


なんで「小豆をとぐ」と「人を食う」なんてサイコパスな二択なんだろうと子供心に思ったけれど、出没場所を調べて合点がいった。


子供用の絵本の類いでは、お寺や集会所の屋根裏等に生息するけど、

元々の出没場所は、どうも川縁(かわべり)らしい。


丈のあるすすきや葛などの雑草で視界が悪くなっている川の辺りから、小豆を研ぐような音がする。

その不思議な音の噂の中で、妖怪小豆とぎが生まれてきたようだった。


こう聞くと、田舎くらしの私には、さざれ石や砂利のような小石が、川の流れで音をたてている様を思い描く。


たぶん、これは川遊びをする子供たちに、川の危険を教える為のキャラクターだったのかもしれない。


川が草に覆われて見えない川原で、シャカシャカと砂利を踊らせる早く流れの強い川に、子供が足を踏み入れて溺れたりしないように、妖怪と類似の音を合わせて、作られたのが妖怪小豆とぎなのだろう。


だから、小豆をとぐか、人…子供を川へと飲み込むか…を問うに違いない。


私の話では、砂金とりのように、専用の皿で川石を回して金を探しているわけだけれど。

何となく、親近感を感じる妖怪だ。


彼らは、東日本に広く分布しており、名前も


小豆とぎ

小豆そぎ

小豆アゲ

小豆ごしゃごしゃ

などと、可愛らしい名前なので、このまま使うことにした。


生真面目な「とぎ」さん

クールな「そぎ」さん

パーティーピーポーな「アゲ」さん

なんか、せわしない「ごしゃごしゃ」さん。


その上、小豆とぎは、人形だけではないらしい。


新潟や山梨などでは、キツネやイタチの姿の小豆とぎ族が語られているようだ。つまり…獣人( ´艸`)

なんだか、ラノベファンタジー感が、ぐっと広がってくる。


ついでに、小豆は水捌けのよい痩せた土地を好むらしいので、サクラ・メンサの土地で栽培するのにも良さそうだ。


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