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ラジオ大賞  作者: ふりまじん
投げ銭大将
72/111

富士山

夜、一人で物語を考える。

モテモテ設定で(つまず)くとは思わなかった。

キモい(-_-;)


箇条書きにしてみると、ジロー…雄二郎の女性に対しての関係がキモく感じる。


・幼女を見るのは好き

・映画は銃を持つセクシー姉さんものが好き

・アニメ系は好きではない(なんかよくわからない。)

・ご当地アイドルはすき。CDはたまに買うけど、握手券やら、投票用紙は捨てる。


そう、雄二郎、アイドルオタクが必死で集めると噂される握手券などのオマケは捨ててしまうのだ。

びっくりして、その理由聞いてみたら、

「だって、現地に行けないもん。」

と、返ってきた。


まあ、そうだろう。

ここで、ご当地アイドルの為に都会に行ったりしたら、奴の名古屋旅行の為にこんな事をしている私が発狂する。


でも…なんか、人気投票くらいしてやればいいのに、とは思ったが、

「面倒くさい。」

と、いつもの返事が来た。

見た目がイマイチで、シャイで、変な話しかしないから、雄二郎に惚れる女の子なんて見ることは無かった。

女の子が近づくと、からかわれるから、益々、面倒くさく感じるのかもしれない。


箇条書きの雄二郎に、キモさを感じながら、そうではない、行間の彼を読者に理解させる難しさを感じた。


幼女を見るのは好き。

なんて書くと、ロリコン、キモ、ブサオヤジだと思われるだろう。


確かに、確かにそうなんだが、でも、なんか、違うんだよ……。

私は、雄二郎との十年以上の付き合いを世間に否定されたようで、なんだかもどかしくなる。


私だって、ロリコン、キモ、ブサ、オヤジの為に必死になってるわけではない。

奴は、奴の良いところがある。それを上手く伝える(すべ)が見つからない。

モヤモヤする(-_-;)


何が悪いのか?

しばらく考えて、昭和にたどり着いた。


そう、答えは昭和なんだわ。


私は、ノートのぺらぺらの空間を昭和の雰囲気で埋めて行く。


太平洋戦争が終わり、

高度成長期が来た。

アポロが月についたとしても、

ブラウン管のテレビは白黒で、子供が町にあふれ、

皆、未来を夢見ていた。

スーパーのフードコートは、週に一度の楽しい娯楽で、家族でラーメンを食べた。

楽しい思い出。


いつか、お父さんのような立派な男になって、

可愛いお嫁さんと娘に愛されて、自分もフードコートに家族で来たかった……。

その夢は叶わなくても、平和な世の中で、幸せそうな少女の笑顔を遠目に見ながら、幸せをおすそわけしてもらう。


書いていて、今度は胸が痛くなってきた(-_-;)


なんとなく、見ないようにしていた、雄二郎の孤独を垣間見たような、変な気持ちが込み上げてくる。


これはこれで、ネガティブ過ぎて読者が離れる気がする。

それに、これも、私の知っている雄二郎ではない気がした。


奴は、そんな暗い人間ではないし、今の生活や自分の立場に順応している。


難しい……


モテるって…モテモテって、どう言うことなのかしら?


モヤモヤしながら、一つ理解したことがある。

雄二郎も、ジローも、世間で言うような、モテモテ状態になりたいなんて思っていないって事だ。


奴にとって、女は富士山のようなものなのだ。

本気で征服しようと考えたら、装備とか、旅費とか知識がいるし、登山を知る人から、とやかく言われて止められる。

登るのはつらい。

そんな辛い事をしてまで山なんて登らなくても生活は出来る。

でも、富士山はいい。

登るのは辛いけど、富士が見える温泉で、美しい姿を見て、風呂上がりに生ビール。それには憧れる。


ああっ( ̄▽ ̄)そうか、そう言うことか……。


私は、web小説のハーレムの主人公が面倒くさそうにしている理由がわかった気がした。


なんで、こんな可愛い女の子に好かれて嫌そうなのか、不満だったけれど、確かに面倒くさいのだ。


だとしたら、ジローもハーレム主人公に向いているとも言える。

そして、主人公とヒロインの距離感も掴んだ気がした。

富士山なのだ。

見ても登らない。

登っても、バスで行ける所まで。


そして、モテモテの話を作るのに、主人公の好みを考える必要はないのだ。

必要なのは、ヒロインに好かれるような「なにか」であって、主人公が喜ぶことではないのだ。


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