別に良いんじゃないかな?
スマホで話して、しばらくの間、奈津子は豪快に笑っていた。
そして、笑いが収まる頃、私を慰めるようにこう言った。
「別に、書いても良いんじゃないかな?雄二郎、気にしてないと思うし。
私、その変な話、読みたいわ〜」
あははと笑いながら奈津子が言う。
「笑うことないじゃないっ。」
「いや、だって、キャベツメンチを買いに行って、そのまま車で異世界転移なんて、私には考えられないわ。」
奈津子はスマホの向こうで笑いを噛み殺している。
私には、透視能力はないけど、でも、わかる。
「うるさいなぁ…。だから、この話は没にするんだから。いいのよっ(///∇///)
私は、地味なファンタジーで小銭を稼ぐんだもん。
きっと、一緒にはいけないけど…モーニングを食べるための500円。きっちり稼ぐわよ。」
私は、自分のこずかいでドーピングするしかないと焦りながらも言う。
「ぷっ…500円って。二万円、ジローの話でさっくり稼げば良いじゃない。
そして、皆でいこうよ。
コロナなんて、秋には終息するよ。
だって、随分と感染者も落ち着いてきたし、
死亡者も少ないらしいよ。
なんか、政府のキャンペーンでお得に旅に行けるらしいし、割引使えば、皆でプチ贅沢が出来るって。
給付金で経済回さなきゃ。
まあ、小説で稼げなくても、その割引があるし、雄二郎も働くんだから、大丈夫。
ここら辺の人だって、秋には落ち着いてくるよ。
マスクをして、感染対策をすれば平気だよ。
そうだ、なんなら、その勇者のファンタジーとジローの話、同時に投稿しようよ。私、手伝うし。」
奈津子は人懐っこくそう言う。
確かに、7月に入って、少し落ち着いてきた感じはする。
確かに、県外から来る人とか、都会から帰省するについては少し神経質になっているけれど、温泉や観光地など、手探りしながら感染対策を考えていた。
確かに、小さな噂や、感染者のローカルニュースは怖いけれど、映画のようなゾンビ化するわけでもなく、私の周りでも感染者は出ていなかった。
確かに、高血圧とか、疾患を抱えている人はリスクがあるみたいだけれど、8月の灼熱にやられて冬まで終息する希望もある。
雄二郎だって、仕事が舞い込んできたのだから、秋にはきっと……。
夢が少しだけ目を出す。
「そうね…、そうだったら良いわね。
雄二郎の話は、本人が良いって言ったら、書いてみるわ。
雄二郎の仕事は、9月からよね?
あと2ヶ月あるし、どうせ、何処にも出掛けられないしね。
お盆も、和尚様には回ってこなくても良いって言ってあるし…。旦那はどうせ釣りに行くんだと思うし。
書いてみようかな…。
でも、あんまり期待しないでね。」
私は、夏もまだなのに、秋を思う。
色々心配だけど、考えたって仕方ない。
どう運命が転んでも、お金を稼いでおけば、希望がわいてくるに違いない。
私は、少しだけ楽しい未来に期待をする。
色々、怪しいネットの情報は、今は必要ないのだ。
まずは、異世界へ。
そして、名古屋へ。
秋に旅行へ行けたなら、伊勢詣りをしてこよう。
ついでに長野のおじさんの家によってきても良い。
私は、夢が膨らむのを感じた。
奈津子は、期待していると私にプレッシャーをかけて電話を切り、
しばらくすると、頃合いを見計らったように雄二郎からメールが来た。
本文
仕事は、9月からだよ。
給料でたら、名古屋にいけるよ。
小説は書いてもいいよ。
雄二郎のメールを見つめながら、私が小説で二万円稼げたら、全てが上手く行くのではないか、なんて、錯覚に陥る。
サイトを開いて、文芸大賞の予定を調べた。
サイトには登録したし、過去のイベントの受賞作品を調べたりもした。
大賞に参加すれば、少し、ポイントが加算されたり、色々な特典があるのも知っている。
これに合わせて、底上げしよう。
二万円は無理でも、千円…
ビギナーズラックで千円を目指そう。
私は、何か、良く分からない焦燥感に泣きたい気分になりながら、ノートに設定をかきはじめた。
ここまで読んでくれてありがとうm(_ _)m
本当は、ここで10万字の感謝を述べる予定でした、が、あと400字足りない( ̄▽ ̄;)
なんとも締まらない私です(^_^)a
気がつけば数年、やっと、まともに公募に応募出来る字数になりました。本当に嬉しいです。
この作品は、設定とかが崩壊する心配がなく、あと、短編のファンタジーを書いて評価をもらい、スミレがどう思うのかを書けば完結すると思うと、とにかく、嬉しい。
ここから、そのファンタジーの短編を書く予定なので、ここからの更新が遅くなりかもしれません。
ここで書いてから投稿するか、いきなり、短編を投稿して感想だけを載せるのか?
贅沢な悩みです。
とにかく、完結を目指して頑張ります。




