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ラジオ大賞  作者: ふりまじん
投げ銭大将
48/111

混乱

どういうこと!( ̄□||||!!

雄二郎の仕事復帰のメールに私は混乱した。


奴は言う。

次の仕事は時給が良いから、給料が出たら名古屋に行こうと。


ポジティブな言葉の並ぶメールでも、人間性が(ともな)わなければ、ただ不信感しかわいてこない。


10年〜この甘い台詞に何度騙されたことだろう。


名古屋に行こう。

そして、モーニングを食べよう。



この台詞を聞きながら、いくつもの夏が過ぎ、

時代劇の再放送で、杖のジーさんは、おともをつれて東海道を何度も往復しては高笑いをしていた。


あの高笑いを聞くと、なんだか腹が立つようになったのは、いつの頃からか…


それが、今、一通のメールと共に終わりを迎えようとしているのだ。


それは、私が現在、作り出した小さな異世界の消滅を意味していた。


「って、どういうことよ!!」


私は、思わず叫び声をあげ、無心で雄二郎にメールをする。


そう、私が物語を作るのは、元はと言えば罰ゲームだった。


無駄遣いばかりの雄二郎に、そんな事だと最後は自分の恥ずかしい話をぶちまけるしかないぞ、と、脅したのだ。


でも、アイツは無駄遣いをやめる気も、名古屋にいくのを諦める気もなく、

勢いで現在に至る。


でも、


嫁もなく、仕事が不安定で、計画性がないから、

(二万円も…思えば、はじめは全部、雄二郎が用意する予定で、

でも、どうにもなら無いから、奈津子の車のガソリン代を払うだけで連れて行って貰えるまで、まけさせたのだ。)


友達と旅行もしたことがなく、

この名古屋旅行が頓挫したら、雄二郎は友達と旅行することもなく生涯を終えることになるだろう。


でも、二万円も作れない、そんなロクデナシなんて、ネットで書かれて嬉しいわけはない。


お金が稼げるなら、そんな恥ずかしい話のモデルなんて即刻願い下げだろう。

つまり、私の作り始めた異世界は存在意義をなくし、

真田先生似の優しい魔女も

まだ、伝説の騎士ローランドの小姓(ペイジ)の少年も、名前もないまま消える運命だ。


作り始めたファンタジーの世界で…

スローライフな、平和な異世界の小さな村で、

世界の終わりを予言させる流れ星を少年は不安げに見つめていた。


それは、赤く禍々しく、激しく燃えながら禁忌の森へと落ちて行く。


シャットダウン…しなくちゃ、ね。


私は、パソコンに書き込む前に没になる物語を憐れんだ。


モヤモヤする…


本当に、無駄遣いしないで名古屋に行けるの?


うっすら腹もたつ(-_-#)

秋には、コロナが終息しているんだろうか。


うっ…うううっ(>_<。)


1話50円…


自分のふがいなさに、悶絶したくなる。


ただ、打ち込みだけだって、10万字を打つのは並大抵ではない。

それを意味をなす、オリジナルの物語を作るとなれば、時間がかかるのだ。


100話5000円…何かの公募に応募して、閲覧が10倍になったとしても…


100話なんて、1ヶ月で書くなんて無理だ。


自分の無能感に悲しくなる。


いつも、アクセス数なんて、そんなに気にしたことは無かったけど、

同じ2000文字でも、一瞬で千単位のアクセスを手にする上位ランカーの存在が羨ましくもあり、憎らしくもある。


1話50円。


本当に50円になるかも分からないまま、私は、自分がとても小さな存在で有ることを自覚した。


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