勇者の条件2
web小説なんて、なろう系ファンタジーなんて、
中身がなくて、スッカスカで、テンプレ通りに書いとけば、誰でも書けるって……嘘ぢゃ〜ない(T-T)
私は、誰も居ない小山の入り口で、魔法の代わりに虫除けスプレーを自分に散布しながら、心の中で文句を言う。
嗚呼…確かに、認識が甘かった。
あの、なろう系とか言うファンタジー。
正直、いまだに面白味がよくわからないそれの奥深さと自分の認識の甘さに気がついて頭を抱える。
あれが簡単なのは、なろう系ファンタジーと呼ばれる独自の世界観を共有できる人達限定で、
赤毛のアンとかドロシーなんていってる時点で負けていたことに気がついた。
中身がスッカスカでも、誰か…しかも複数の人物に情報を伝えるのは、ある意味高度なテクニックなのだ。
そして、いかにお約束を知っていたとしても、
時代劇を見たことも、その面白味を理解も出来ない若いラノベ作家が時代劇がかけないように、
数ヵ月、webで小説書いた位の年配の底辺が、あの難解ななろう系ファンタジーを攻略なんて出来るはずもないのだ。
なろう系ファンタジーとは、ある意味、俳句のようなもので、
スッカスカの文章まで文字を縮小するためには、
読者と共有できる『季語』のような、ゲーム由来の言葉と、川柳のような文字の約束…テンプレをより理解できないと難しいのだ。
私は、芭蕉に向かって、「俳句なんて私にも書けるわ」と、言ってるようなものだと悟った。
が、だからと言って止めるわけにはいかない。
二万円を稼がなければ行けないのは変わらないからだ。
私は、子供の頃の懐かしい遊び場が、令和バージョンに代わり、
子供が消えて、熊に乗っ取られ、≪熊出没注意≫の結界が貼られた、呪われたその場所を恨めしく眺めた。
時代の変わり目が…胸に染みる。
この山は、昔馴染みの私の場所ではないし、
令和のファンタジーは、私の知らない「なろう系」にとって変わられたのだ。
旦那と息子を守るためにも、この先には行けない。 web小説作家と言っても、私はおばさんで、ニュースでたまに取り上げられる、迷惑行為をする動画サイトの若者に混じって、立て看板を無視して先には行けないのだ。
この看板の先に行けるのは、役人とか、お巡りさんとか、しっかりと許可をとって準備をしたマスコミの人、そして…
私は立て看板の向こうに、私の空想の少年を立たせてみた。
そう。私はもう、勇者にはなれない。
≪熊出没注意≫の看板の向こうに行くには年をとりすぎたのだ。
「なろう系」と呼ばれるファンタジーでは、勇者視点の一人称が人気があるらしいが、
ここで私は、自分の立ち位置が「魔法使い」のおばあさんの役に決定た事を悟った。
完璧な、なろうテンプレは、諦めるしかないわ。
それは同時に、見込み読者である、スコッパー系の人が減ることを意味していた。
それは残念な事ではあるが、ここで、私は、あの謎の戦闘力が、アクセス数で代用できる事に気がついた。
私は、数ヵ月、小説を投稿して、大体、一回のアクセスが10くらいで安定している。
なんか投稿すれば、10アクセス。
だから、私は、普段の戦闘力は10。
で、イベントの企画や公募で投稿する場合は、場の祝福をうけて、レベルアップで戦闘力が100。
力の源は、読者の粉で、
沢山の妖精に祝福されるとレベルが上がる。
中には意地悪な妖精や、呪いの粉も混ざることがあり、戦闘力が上がっても、体力が削がれる場合もある。
そんな悪い妖精に悪さをされないようにするには、それらが寄り付かないような真の勇者を目指さなければいけない……。
なるほど。
私は、テンプレを諦める代わりに、読者と共有できるレベルの書き方をゲットした(ちゃらーん…)
これで行くと、私は現在、
通常レベル10
公募参加時100
読者層
スコッパーと、ファンの人
と、なるわけだ。
で、守護天使のスコッパーは、呪文を正しく発する事が出来ないので、力が半減する。
100の見込みが50となるわけだ。
おおっ(゜o゜)私、なんか、戦闘力を計算できてるじゃない。
令和の里山で、私は、自分の作れる令和ファンタジーがまだ死んでいない事に嬉しくなった。
二万円に続く新しい道を見つめながら、私はやる気を持ち直した。




