幸せを売る女(仮)
“題幸せを売る男
『幸せを売る男』と言う曲をご存じだろうか?
知らない人も、ネットで検索して見つけたメロディラインに浮き浮きした気持ちになるだろう。
フランスのシャンソンだが、その明るい歌声はこの日本でもカバーされた。
1960年『シャンソンの女王』と呼ばれた越路吹雪さんによって…”
うっ(^_^;)
私は、奈津子のメールを見て絶句する。
本当にこんな出だしでネット小説でお金を稼ぐつもりなんだろうか?
私は、スマホを見ながら思わず笑った。
それは、個性の消えた電子文字の向こうで、
『のだ』とか、『だろう』など、いつもは使わない文字列に、少女時代の奈津子が甦ってきたようで、嬉しくなったのだ。
続きに目を通す。
“このシャンソンには、ヴァカボンドと名乗る人物が登場する。
日本語にすると放浪者。
憂鬱な気持ちを晴れやかに変える、幸せな気持ちを人々に売る男。
私にも、そんな友人がいる。
どうしようもなく、ダメ人間で、それでも、大切な友人、今日は彼の話をしようと思う。”
これ…どうしたらいいんだろう(-"-;)
私は、『幸せを売る男』を検索し再生してみる。
この曲は、沢山の歌手がカバーしていた。
とりあえず、越路吹雪さんの日本語の曲を聞きながら、陽気な音楽に雄二郎の姿を思い浮かべ、わりと選曲のよさを感じながらも、破壊的にそれらに合わない奈津子の文章に笑ってしまう。
ヴァカボンドねぇ…。
私は、雄二郎の太くて固い髪が作り出す、自然な七三分けのヘアースタイルと、昭和の有名なギャグ漫画の主人公を思い浮かべて爆笑した。
現在は白髪が随分と混ざってしまったが、確かに、10年前は、黒々とした固い七三分けの髪型と、素朴な感じが、昔の漫画のキャラクターを思わせた。
「そんなに見つめないでよぅ。」
ひぐまのような大きな体を屈めながら、口をトンがらかせる雄二郎を思い出す。
それと同時に、奈津子があまりにも素直に雄二郎の描写をしていることに驚いた。
そして、その続きに目を通した。




