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ラジオ大賞  作者: ふりまじん
白百合姫
106/111

デジタル化

信州の秋の夜空は美しい。

私は1人夜空を眺める。

俳句の季語でも星は秋を示すものだけれど、

意外な事に秋の夜を彩る星座には、1等星等の煌めく星は少ないのだそうだ。

その為か、月が美しく夜空に映え、そして、流れ星を観察しやすい季節でもある…


ふと、宇宙(そら)くんのプラネタリウムの解説を思い出した。

あれから、宇宙くんから連絡はない。

と、言うか、連絡先は知らない。

すべては、亜美ちゃん経由にしたからだ。


その亜美ちゃんからもメールが無かったし、去年はそれどころでは無かったので、皆、忘れたものだと思っていた。


まさか、ここに来て、小説の話が甦るなんて(T-T)

混乱はするが、仕方がない。どちらにしても、雄二郎の話もある。


私は、自分の部屋で、ワインサイダーを飲み干した。

それから、文花からのメールを確認した。


来ていた。

題名は、まんま『タイタンの恋人』


コピーをもらうわけにはいかなかったが、代わりに、メールで文章を送ると言われたのだ。


デジタル化しなくても…

と、打ち込んだであろう奈穂子に恨み言を言いたくなる。

確かに、私には『タイタンの恋人』の著作権はあるのだろうが、奈穂子は、挿絵師で、綾子に聞いたところによると、昔は、その界隈では有名だったらしい。

関東の専門学校に行き、人気のフィギュアの原型師に気に入られて、デザイン画を書いていたらしく、当時は、結構、羽振りがよかったらしい。


90年代後半の、バブルがはじけた後で、定職に就くのも大変だったし、馬鹿馬鹿しくも感じたのだろうか、奈穂子は、そのまま好きな道を歩き回り、そして、10年前くらいに田舎へと戻ってきた…と、言うことだった。


都落ち…とか、噂もあるみたいだけれど、それでも、いまだにコアなファンがいて、ネットで評価されているようなので、挿絵を貰った私が、資料としてのデーター化に文句をつける勇気はない。


今は、奈穂子より自分の事だわ(T-T)


嫌な気持ちをため息と共に吐き出し、私は、『タイタンの恋人』を開いた。


一文字違いの中学名の学校を舞台に、私の分身の少女が、親友の女の子と楽しそうに暮らす様子が描かれていた。


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