タイタンの恋人
文花は、しばらく嬉しそうに亜美ちゃんの近況を教えてくれた。
亜美ちゃんは、高校3年生。そろそろ進路が気になり始める頃だ。
親の心配とコロナもあって、亜美ちゃんは宇宙くんに会いにいけないし、
その前に、宇宙くんの気持ちがよくわからないらしかった。
「で、考えたんだ。小説を書いて、二人に朗読を頼んだらどうかって。」
文花は、少女特有の『恋に潤んだ瞳』で、私に話しかけてくる。
自分のイタイ経験が、話にのるなと警告する。
「それは、楽しそうだけれど、それなら、文花が今風の話を作ってあげたら良いじゃない。」
私は文花をかわした。
「無理!私には、あんな作品書けない。」
文花は、あのCDを持ち上げた。
私だって…もう書けない話よっ…恥ずかしい(///∇///)
私は、自分の作品を誉める文花を疑りながら、何とか書かずにすまないか、必死で考えた。
「文花ちゃんが書けば良いじゃない。亜美ちゃんもそっちの方が喜ぶと思うし。」
「無理無理…。伯母さんみたく上手く書けないよ。
それに、続きを読みたいし。」
文花の言葉に、嫌な予感が走る。
「続き…?」
私の質問に、文花は頷きながら数枚のコピー用紙の束を取り出して私に見せる。
折り畳まれたコピー用紙を開くと、そこには、目に染みるような、スペースオペラな絵が書いてある。
したの方には、尖ったアート文字で、『タイタンの恋人』と、書いてある。
その文字を見た途端、レーザーで胸を射ぬかれたロボット見たいに、一瞬、体の機能が止まってしまった。




