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エピローグ
世界に色は無いと思っていた。
いや、必要無いと思っていた。
少なくとも、彼女に出逢うまでは。
目を覚ます。
僕は窓から外を見て世界が相変わらず変わっていないことを再確認し、うんざりする。
顔を洗い、朝ごはんを食べ、時間に余裕を持って家をでる。特に何もない。平凡な日だ。
自転車を漕ぎながら、僕はいつものように自分自身が生きる意味を問う。
頭がいい訳でもなく、運動神経がいい訳でもない。顔は恐らく平凡。ユーモアがあり人を楽しませる事に長けている訳でもない。 友達も、いない。
行き着く先は簡単だ。僕が生きる意味は、無い。
そもそも生きる理由もなければ死んで悲しむ人もいない。
僕は今夜、自殺しようと思う。