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楽夢

作者: 赫映

大切な友達とその妹二人が麻薬の売人やったっていう夢やねん。

その友達はMって言うんやけど、Mはとっても大人しゅうて繊細な子やねん。

売人なんかそんな、悪いことせんような。


そういう普通の子に限って、あかんことしてまうんかな?


その日、Mと一緒にホワイトデーのクッキー遅れたけど作ろうってなって、Mの家行ってん。

Mって小金持ちやから、まぁまぁ調理器具揃ってて楽しいクッキー作りになるなぁ(おも)たん覚えてる。

オーブンでかいし。

関係ないけど。

クッキーの生地普通に作って、さぁ成形しよかって時にMの妹らが来てな、こう言うてん。


「美味しくなる魔法の粉入れな。」


ほいてクッキーの生地になんや白い粉まぶしてこちゃこちゃっと捏ねてどうぞって言いよんねん。

怖ない?

でも何か入れ忘れてたんかな思てそのまま作って、ハートやらマルやら形作って焼いてん。

ほんの少し嗅いだことない臭いすんねん。


妹らが入れた粉かな?

それともバター多めに入れてもうたかな?


とか色々考えながら可愛い袋に詰めて。

出来上がって。

今日はありがとまたね、言うてMの家、出たんよ。


そこで気づいたんよな。

Mも私も一切試食してないってことに。

単に数をぴったり作ったってだけなんやけど、Mはすごい甘いもん好きやから試食や試食や言うてわんさか食べてまうんよ、いつも。


魔法の粉かけたから試食出来なかったんやないか思て、警察さんとこ来ました。


えぇ、えぇ、陽性?

ああやっぱり?

食べんでよかったし、食べさせんでよかったよ。

私なんか罪になるん?

ちょっと罪?

細かいことはエエわ。

Mのこと捕まえるん?

捕まえるんや。



私、Mのこと嫌いやねん。

だから内心ちょっと喜んでんねん。

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― 新着の感想 ―
[一言] 妙に不気味でホラーな感じがなかなかそそります
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