表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十歳の最強魔導師  作者: 天乃聖樹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

107/196

恭順

 つい先程まで鮮烈な敵意をほとばしらせていたはずのバルフが、フェリスの前にひざまずいた。


 地面に額を叩きつけ、血を流しながら叫ぶ。


「申し訳ございません、女王様! 我が無知、我が罪を、お許しください! すべての罪は俺の不徳が致すところ……ガデルの皆には関係がありません! どうか、この首をお切り捨てください!!」


「ふ、ふえっ!? くび!?」


 フェリスは縮み上がった。


「急に態度が変わりましたわね……なんなんですの?」


 訝るジャネット。


「どうしてあなたたちはフェリスのことを女王と呼んでいるのかしら。ガデル族の人まで」


 アリシアが問いかけた。


「女王様は女王様だから、ですな」


「ねえ。女王様は、女王様」


 レヴィヤタンとエウリュアレは肩をすくめる。


「それじゃ分からないわ……」


 アリシアはつぶやくが、召喚獣たちは答えようとしない。


「どうなさいます、女王様? お手をお汚しになるのがお嫌なら、このレヴィヤタンめが一瞬で冒涜者を焼き尽くしてご覧に入れますが?」


「や、焼いちゃダメです!」


 フェリスが慌てて止めると、エウリュアレが両手を握り締めて感嘆する。


「ああ、なんて女王様は慈悲深いのでしょう! 醜い姿に焼くのではなく、私の力で心を蝕み、生きたまま骸人形に造り替えよとおっしゃるのですね!」


「人形にするのもダメですーっ!」


 召喚獣たちの提案に、アリシアとジャネットは顔を見合わせる。


「フェリスの召使いたちって……」


「ず、随分、過激ですわね……」


 優しい主の性格とは大違いだ。


 フェリスはバルフの前にしゃがみ込んで話しかける。


「わたし、誰にも死んでほしいなんて思わないです。アリシアさんのお父さんを返して、ナヴィラの人たちとも仲直りしてくれれば、それでいいです」


「ナヴィラは……女王様の敵対者だというのに……滅ぼすなとおっしゃるのですか……?」


 バルフは信じられないといった目で見上げた。


「よく分かんないですけど……誰も滅ぼしてほしくないです」


 フェリスの言葉に、レヴィヤタンも付け加える。


「わたくしとしてはナヴィラなど消し去りたい気持ちでいっぱいなのですが、女王様の御意志なら仕方ありませんな」


 エウリュアレもうなずく。


「ええ、女王様こそが世界の理、永遠の真実なのですから。ガデルの下僕たちにも、ナヴィラから手を引くよう伝えなさい。……ただし、今の女王様の器については漏らさず、ね。探求者たちに気取られるのは面倒だから」


「……御意」


 バルフは深々と平伏した。


 フェリスはバルフに頼む。


「それで、その……アリシアさんのお父さんの居場所とか、知っていたら教えてほしいんですけど」


 バルフは起き上がる。


「恐らくは、この採取場に集められているものかと。ご案内いたしましょう」


「採取場……?」


 フェリスは小首を傾げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

コミカライズがスタートしました!
試し読み
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ