ある幼馴染達の後日談
「トリック.オア.トリートおおおお!
悪い子はいねーがああああ!」
「混ざってる!!ナンかしらねーが混ざってるって!!
秋田の人たちに怒られるぞ!!」
しょっぱなからハイテンションですんません
如月 静だ.
そしてわけ分からない雄叫びを発しているのが幼馴染の霜月渡里
...何故かなまはげの面をかぶっているが...
深くは突っ込まない方がいい気がするのでスルーしよう.
「で、なんでなまはげのセリフなんだ?」
「だってどっちも相手を恐がらせるのが目的でしょ?
なら両方言ったっていいじゃない!」
「お前バカか?
十月の海外発行事と大晦日の日本行事をごっちゃにすんな!」
「ちなみに二月に【なまはげ柴灯まつり】ってのもあるよ~」
「確信犯かよ!」
「後豆知識だけどなまはげのモデルは漂流してきた外国人(白人)らしいよ~」
「も一つおまけにそいつうまく人付き合いが出来なくて孤立したらしいな」
「何それ知らない.
あ、あと知ってるのは
当時の役人が農民達の怠惰を戒める為に
鬼のような形相で各戸を訪問してきたことがルーツだってのも聞いたことがある!」
「農民達どんだけなまぐさだと思われてたんだ;
もう一つ起源についての説があるぜ?俺のお勧め!」
「何々?」
「なんでも秋田には、
【漢の武帝が男鹿を訪れ、5匹の鬼を毎日のように使役していたが、
正月15日だけは鬼たちが解き放たれて里を荒らし回った】って伝説がある」
「ああ、如何にもしずちゃんが好きそうな...」
「しずちゃんはヤメロ」
俺はドコゾノ喧嘩屋か!
公共物破壊なんかした事ねーよ!!
「そういえばなまはげって色々種類があるんだって~」
「そうなのか?」
「ウン!一般的に赤面がジジナマハゲ、青面がババナマハゲとされているんだよ~
でも地域によってはチョット違うみたい」
「へ~それは知らなかった...」
「えっへん!助教授ですから!」
「ただ単に面白そうだから調べただけだろ?」
「そうとも言う!」
「ハア、アン?何でこんな話しになったんだっけ?」
「静ちゃんがなまはげとハロウィンをごちゃ混ぜにしたからだよ!」
「それはお前だ!殴るぞ?」
「殴ってから言わないでよ~」
泣きまねはヤメロ
「おやおや、賑やかですね~」
「あ!スグさんこんばんは~」
「先輩おつかれっす!」
「はいこんばんは.」
この人は俺の先輩で文月スグリさん
見た目は優男なのに実は空手の有段者だ
弱そうな外見がコンプレックスで..
「今何か変な事考えませんでした?」にっこり
「イエナニモ」
そして黒い
「如月君?」にっこり
「ゴメンナサイ」
「おやおや、私は何も言ってませんよ?」
「スグさん、スグさん静が泣いちゃう;」
「其れはいけませんね.止めましょうか」
ほっ助かった~
「あんがとな」
「如何いたしまして!」
「そういえば渡里さん、そのお面は何ですか?」
「ハロウィンの仮装です!」
「ああ、そういえば今日でしたね~
ではその着ている着物もそうなんですか?」
「ウン!着てる着物は某銀色魂のお砂さんだよ~憧れなの!!」
ちなみに今日が彼女の誕生日だ
「そういえば今日は某非日常小説のヒロイン杏里ちゃんの誕生日ですね~」
「嫌々先輩此処は某狐忍者に出てくる由良っちですって!」
「何故漫画の登場人物しか出てこないの...」
「リアルでは誰のだっけ?」
「え~っとマルセル・カルネ...とか?」
「ああ、【港のマリィ】の人!この間それ見た
俺もあんなふうに手玉に取られたい..(悦)」
「渡里さん、いいですか?アレが変態の顔です
ああいう顔の人がいたらスグに逃げましょう」
「ラジャーマハラジャ!」
誰が変態だ!!
「後本日は陶彩の日とも言われておりますね.」
「知ってる!日本陶彩株式会社が制定した日!」
「平たく言えば美味いもんを綺麗に盛り付けて食う日だな
ちなみに日付はゴロあわせだ」
「二人とも偉いですね~
魔法の呪文を言ったらゴホウビの期間限定お菓子を差し上げ..
「「トリック.オア.トリート!!」」ますってどれだけ食べたいんですか;」
期間限定につられない日本人は居ないんですよ先輩!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「そういえばさ~ハロウィンって元々何の行事だったの?」
「確か元々は収穫祭だったんだっけ?」
うろ覚えだけど確かそうだった気がする
あ、このカボチャのシューウマイ!
「そうです古代ケルトのドルイドの信仰が始まりとされてますね
元々はサウィンという名前だったのがなまって今のハロウィンになったとされます」
「後古代ローマの影響も受けてるんだよね!
死者の祭りであるパレンタリアっていうやつ!」
「そしてシンボルカラーでもあるオレンジと黒ですが
黒はそのまま死者の色で、オレンジがリンゴと言われてますね」
「黒は分かるけどリンゴは何で?」
「リンゴはケルトでは女神ポモナのシンボルだったんだ
ちなみにポモナは果実・果樹・果樹園の女神らしい」
なんかどっかのRPGに出てきそうな名前だよな..って渡里そのカボチャのパイは俺の!!
全部食いやがった...Orz
「ハロウィンがアメリカの年鑑に祝祭日として記録されたのは19世紀初頭以降の事なんですよ~
当時は否定派も多かったんです
ニューイングランドのピューリタンなどはハロウィンに強く反対してて移民が来るまでは本格的にやらなかったんですよ~」
「楽しいのにもったいない..」
「まあ、宗教的な理由だろうな」
「でもキリスト教では寛容だよね.
娯楽として楽しんでもいいっていわれてるし」
「後は歴史を知り、真実を伝えていくことが大切とも言っていますね」
「おくが深いね~...
トコロデサ?
この間の怪盗淑女との対決、どうなったの?」
「おや?知らないのですか?」
「教授と学会に行ってて..」
「そうだったんですか~
実に面白い結果になりましたよ?」
まあ、結果的にはそういえるけど...
アレが愉快犯のおかげだって言いたくね~
「あの~なんか負のオーラが見えるのですが...
一体何があったんですか?」
「怪盗淑女さんと如月君がとても仲良しってことが良く分かりましたよ~」
「ええ!!何ですかソレ?」
「何いってんすか先輩!!」
「え?だって可愛いお面をかぶった彼女に見惚れてたじゃないですか?」
「ちびまるこちゃんのお面にあっけにとられてたんす!」
「その後仲良く鬼ごっこをしたじゃないですか?」
「不審者を捕らえるのが警察の仕事でしょうが!」
「美術館にあった数々のヒント、アレは彼女からのプレゼントでしょう?」
「アレを解いたら絵画を返すって言ったんですよ!」
「でもそのおかげで館長さんの色々な証拠、見つけたじゃないですか」
「ウ..」
「どういうことですか?」
「ああ、今回ターゲットにされた美術館の館長さんには色々な黒い噂があったんですよ」
「でも証拠がなかったから今まで何も出来なかったんだ」
「今回の怪盗さんの暗号は渡りに船でしたね~」
「怪盗捕まえてあわゆくば館長もって感じでな」
「で、二兎を追うものは一兎しか得なかったと、
そう言う事かな?静ちゃん?」
「その通りです.
まさか如月君が捕まえるのに失敗するとは思いませんでした...」
「ウ..すんません...」
「あと少しの所でコントの如くバナナの皮を踏んで落ちるとか...嘆かわしいです」
「うわあ..」
ヤメロ、そんな顔で俺を見るな!!
俺のライフはもうゼロだ!!
「...今夜はとことん飲んでやる~~~~!」
「おお!静ちゃんがヤケになった!!」
「おやおや」
その後俺は恥ずかしさを誤魔化す為に朝まで酒を飲み
仕事のときに二日酔いで苦しむことになったとさ...(くそう!)
...なんで俺より飲んだ筈の先輩はぴんぴんしてるんだ?!
「アリエネ~」
「人生の経験の差ですよ.」
のほほんとコーヒー飲んでる先輩が眩しかったデス...
後日談です
感想お待ちしております(ペコリ)