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 朝起きたら漠然とした焦燥感と、喪失感に苛まれる。別に、いつもそうだって訳じゃない。でも、確かに何かから追われていて、気がついたら目が覚めて、目尻から耳に流れる涙で居心地が悪くなったくらいにようやく動ける。

 どんな夢を見たのかは覚えていない。ただ、夢を見ていたという感覚だけが胸の中を満たしている。あまりの焦燥感と、喪失感に一度どんな夢か必死になって思い出そうと、色々と調べたが明確な方法はこれと言ってなく、そのうちに思い出すことすら諦めてしまった。

 それでも、朝からなんだか気力がそがれてしまって、そんな日は決まって気分よく一日が始まらない。なんだかそんな憂鬱を抱えて朝の時間を過ごすのが嫌なのだ。

 だけれど気分を払拭するような何かがあるようなわけではないし、そのうちにそんな夢をみていたことも、焦燥感も、喪失感すら薄れて行く。

 ゆっくりと、自分がひとつひとつ消えていくことへの恐怖。たかだか内容も覚えていないような夢ひとつ。だけど、確かに見たこの感情を失いたくないと、無性に思うのだ。


 そうやって、今日も一日が終わる。ふわふわとしたまま一日が終わっていた。朝に感じていた身を焦がすような激情も、忘れることに対する身震いしてしまうほどの恐怖も、今は無い。

 ただ、何かが欠けてしまってるようなそんな感覚が、じんわりと漏れて来ている。


 今日も、夢を見る。明日の朝、覚えているかもしれないし忘れているかもしれない。今感じているこれを、そして明日感じるそれも。忘れてしまうことが途方もなくこわい。

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