物語の終着点、そして・・・
10mはあろうかという巨大な蛇の下半身、女性の姿の上半身、そしてその両手には剣のような鋭い爪が伸びている
会場中から悲鳴のようなものや驚愕のような叫び声が上がる
「やっぱり人間じゃなかったな」
ローアンはそう呟く
「魔王ターラよ。みんな大したことないかと思ったけど、あなただけは人間にしてはなかなかやるわね」
ローアンは身構える
「この城はいただくわ!」
そう言うと、ターラの一撃がローアンを襲う
ローアンは背後に飛び回避する
「ローアン!」
リイナが叫ぶ
「受け取って!」
そういうと、リイナは優勝賞品のアダマスをローアンに向けて投げた
剣が地面に突き刺さる
「あいつ、こうなるのがわかってたんだな」
ローアンは独り言ちる
ターラの周囲には城の兵が集まってくる
「手出しはいらない!」
ローアンが兵を制する
アダマスを手にローアンはターラに向き合う
再びターラの腕がローアンに振り下ろされる
ローアンは後ろに高く飛んだ
次の瞬間、アダマスは大きく光を放つ
そのまま空中からローアンは剣を振り下ろす
そこから放たれた光の矢はターラを貫いた
ターラはその場に倒れた
周囲からは再び歓声が起こった
見るとアダマスは無傷だった
これが初めて放ったジルバーストの完成形となった
リイナがローアンの元へと駆けつける
そして、その二人にフィオールが語り掛けた
「やっぱり真の勇者は凄いんだね。到底敵いそうにない」
「いや、本当に凄いのは俺じゃない。全部彼女のおかげだ。リイナがいたから俺はここまで来れたんだ」
それを聞いたリイナは照れるようにそっぽを向いた
数日後、ローアンとリイナの旅立ちの準備が整った
「おい、俺を置いていくのか?」
二人にそう語り掛けたのはファルカシュ
「一緒に来てくれるのか?」
ローアンは尋ねる
「当たり前だろ。二人だけで魔王と戦うつもりだったのか?」
「わかった。一緒に着いてきてくれ」
そうして、勇者パーティーは残された最後の魔王であるザブロアの居城へと向かった
それはリイナにとっては旅の目的地であり終着点でもあった
・・・数か月後
ハントの村にあるリイナの両親の墓の前に勇者パーティーの三人がいる
「お父さん、お母さん、仇は討ちました」
そう報告するリイナ
その背後にはローアンとファルカシュがいる
しばらくの間、沈黙が流れる
リイナは振り返ると
「それじゃ、行きましょうか」
それを聞いてローアンが問いかける
「行くのはいいけど、どこに行くつもりなんだ?」
リイナはハッとすると、腕を組み考え始めた
「そういえば、私はこれからどこに行けばいいんだろう・・・・」
やれやれと言った表情になるローアンとファルカシュ
しばらく考えたあとリイナは逆に二人に尋ねた
「二人はこれからどうするの?」
先にファルカシュが答える
「俺は城に帰るよ。弟子たちもいるしな。これからも魔法の指導を続けていこうと思う」
「じゃあ、ローアンは?」
リイナがローアンに尋ねる
するとローアンも考え込むような表情になって下を向いた
「うーん・・・・・、俺はこれから伝説の武器職人にでもなろうかな・・・・」
「は?」
残りの二人が同時に反応する
「いや、へっぽこ勇者がちゃんとした勇者になれたんだ。だったらへっぽこ鍛冶師が伝説の武器職人になれても不思議じゃないだろ?」
「お前一人でなれるのか?」
ファルカシュが突っ込みを入れる
それにリイナも乗っかる
「そうそう、前に言ってたでしょ。あなたがちゃんとした勇者になれたのは誰かのおかげだとか」
「そんな事言ったか?」
「言った。もう一度言ってみてよ」
「いや、覚えがないな・・・・」
そんなやり取りにファルカシュが苦笑いを浮かべていると
「あ・・・・・」
リイナが何かを思いついたような表情をした
「私の次の目標が決まったかもしれない」
「なんだ?」
ローアンが面倒くさそうに聞いてくる
リイナは笑いながら答えた
「ローアンにあのセリフをもう一度言わせること!」
そのあとリイナはボソッと付け加えた
「・・・・次は一生かかっちゃうかもしれないけど」
完
これで終わりです
予定は無いですが、もし気が向けばまた何か投降するかもしれません




