曇った窓に書いたこと
原詩: 曇った窓に書いたこと
寒い朝 曇った窓に言えないことを書きました
そして すぐに消しました
それでも 消えた文字は胸に残って
わたしの頬を 染めました
あなたの 名前
あなたに したいこと
わたしに してほしいこと
ふたりで したいこと
ーーーーーーー
詩小説: 曇った窓に書いたこと
寒い朝でした。
窓は白く曇り、外の景色はぼんやりと滲んでいました。
そこへ、ずっと言えずにいた言葉を書きました。
そしてすぐに消しました。
誰にも見られたくありません。
何より自分自身がそれを見つめ続ける勇気がありませんでした。
それでも、消した文字は胸の内側に残り、わたしは頬をほんのり染めました。
あなたの名前。
あなたにしたいこと。
わたしにしてほしいこと。
ふたりでしたいこと。
曇った窓はまるで秘密のノートのようでした。
そのとき、スマホが震えました。
あなたからのメッセージでした。
「今、家の前にいるんだけど、会える?」
心臓が跳ねました。
慌てて窓から外を見ると、あなたがマフラーに顔をうずめながら立っていました。
わたしは急いで玄関へ向かいました。
ドアを開けると、あなたは少し照れたように笑いました。
「急にごめん。どうしても伝えたいことがあって」
その言葉に、胸が熱くなり、まさか、と思いながらも期待が膨らみました。
あなたは深呼吸して言いました。
「曇った窓に何か書いてたでしょ。外から全部見えてたよ」
「……えっ、見えてたの?」
「うん。だから来たんだよ。僕、視力はいいし、鏡文字読むの得意なんだ。あれ、全部ほんと?」
頬が一気に燃え上がりました。
窓は、秘密のノートなんかじゃありませんでした。
なんということでしょう。
ただの、外から丸見えのガラスでした。
=====
わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌: 曇った窓に書いたこと
Ⅰ 曇る朝
白き窓 指でなぞれば 息の色
言えない言葉 そっと浮かびぬ
消すたびに 胸の内側 濡れてゆく
見せたくなくて 見つめられなくて
Ⅱ 秘密のノート
あなたへの 願いを並べ 書いたのに
曇りガラスは 秘密を守らず
名前さえ 触れれば赤く にじむのに
冬の窓だけ 素直に映す
Ⅲ 震えるスマホ
震えたのは スマホか胸か わからない
「会える?」の文字 朝を変えたり
マフラーに 顔を沈めて 立つあなた
その気配だけで 冬がやわらぐ
Ⅳ 見えていたこと
「見えてたよ」 その一言で 頬が燃え
秘密のノート 外へ開かれ
鏡文字 読めると言われ 息を呑む
消したはずの恋 あなたに届く
Ⅴ ただのガラス
秘密など どこにもなかった 冬の窓
それでも心は そっと書きたい
丸見えの ガラスの前で うつむいて
あなたの笑みが すべてを許す
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




