表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩小説ショートショート集  作者: 水谷れい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/106

曇った窓に書いたこと

原詩: 曇った窓に書いたこと


寒い朝 曇った窓に言えないことを書きました

そして すぐに消しました

それでも 消えた文字は胸に残って

わたしの頬を 染めました


あなたの 名前

あなたに したいこと

わたしに してほしいこと

ふたりで したいこと


ーーーーーーー


詩小説: 曇った窓に書いたこと


寒い朝でした。

窓は白く曇り、外の景色はぼんやりと滲んでいました。

そこへ、ずっと言えずにいた言葉を書きました。

そしてすぐに消しました。

誰にも見られたくありません。

何より自分自身がそれを見つめ続ける勇気がありませんでした。

それでも、消した文字は胸の内側に残り、わたしは頬をほんのり染めました。


あなたの名前。

あなたにしたいこと。

わたしにしてほしいこと。

ふたりでしたいこと。


曇った窓はまるで秘密のノートのようでした。


そのとき、スマホが震えました。

あなたからのメッセージでした。

「今、家の前にいるんだけど、会える?」

心臓が跳ねました。

慌てて窓から外を見ると、あなたがマフラーに顔をうずめながら立っていました。

わたしは急いで玄関へ向かいました。

ドアを開けると、あなたは少し照れたように笑いました。

「急にごめん。どうしても伝えたいことがあって」

その言葉に、胸が熱くなり、まさか、と思いながらも期待が膨らみました。

あなたは深呼吸して言いました。

「曇った窓に何か書いてたでしょ。外から全部見えてたよ」

「……えっ、見えてたの?」

「うん。だから来たんだよ。僕、視力はいいし、鏡文字読むの得意なんだ。あれ、全部ほんと?」

頬が一気に燃え上がりました。

窓は、秘密のノートなんかじゃありませんでした。

なんということでしょう。

ただの、外から丸見えのガラスでした。


=====


わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。


連作短歌: 曇った窓に書いたこと


Ⅰ 曇る朝


白き窓 指でなぞれば 息の色

言えない言葉 そっと浮かびぬ


消すたびに 胸の内側 濡れてゆく

見せたくなくて 見つめられなくて


Ⅱ 秘密のノート


あなたへの 願いを並べ 書いたのに

曇りガラスは 秘密を守らず


名前さえ 触れれば赤く にじむのに

冬の窓だけ 素直に映す


Ⅲ 震えるスマホ


震えたのは スマホか胸か わからない

「会える?」の文字 朝を変えたり


マフラーに 顔を沈めて 立つあなた

その気配だけで 冬がやわらぐ


Ⅳ 見えていたこと


「見えてたよ」 その一言で 頬が燃え

秘密のノート 外へ開かれ


鏡文字 読めると言われ 息を呑む

消したはずの恋 あなたに届く


Ⅴ ただのガラス


秘密など どこにもなかった 冬の窓

それでも心は そっと書きたい


丸見えの ガラスの前で うつむいて

あなたの笑みが すべてを許す

詩をショートショートにする試みです。

詩小説と呼ぶことにしました。

その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ