まるい予感
原詩: まるい予感
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詩小説: まるい予感
「ねえ、いま、なにかが笑わなかった?」
冬の午後の柔らかな日差しが差し込むリビングで、彼がふと顔を上げました。
膝の上には、読みかけの本と、丸くなって眠る猫の「まる」。
まるの背中からは、いつでもお日様の匂いがします。
わたしは淹れたてのコーヒーをテーブルに置き、彼の隣に座りました。
「笑った? 誰が?」
「わからない。でも、この部屋のどこかで、くすぐったそうに声を上げた気がしたんだ」
彼はそう言うと、わたしの手をそっと握りました。
その手は少しひんやりとしていました。
でも、握りしめるうちにわたしの体温が伝わり、二つの温度は同じ一つの温度になっていきました。
思えば、わたしたちの毎日は派手な出来事なんて何ひとつありません。
朝起きて、挨拶をして、トーストを焼く。
夕暮れにはこうして二人で、言葉にならない透明な喜びを分け合う。
そんな小さな幸せが積もっていく日々。
わたしの胸元で揺れるペンダントに光が反射しました。
「ねえ」とわたしは言いました。
「これからもっと良いことが起こる予感がするの」
「大丈夫だよ」
彼はわたしをみつめました。
「こうして僕たちがそっと寄り添っているとき、まだ知らない幸せや喜びは息をひそめて出番を待っているんだ」
窓の外では、風が木々を揺らしています。
けれどこの部屋の中だけは、凪いだ海のように静かで、安らぎに満ちています。
特別なことは何もいりません。
ただ、この微笑みを明日へ繋いでいければ。
「大丈夫」 その言葉が、二人の間にゆっくりと溶けていきました。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:まるい予感
一、冬のひかり
冬陽さす リビングの隅 ふと聞こえ
だれかがそっと 笑った気配
二、まるの眠り
丸くなる 猫の背中に 触れもせず
お日さまの匂い 部屋にひろがる
三、ふたつの温度
ひんやりと 触れたあなたの その手から
わたしの体温 ひとつに溶ける
四、積もる日々
派手さなく ただ積もりゆく 朝と夕
透明な喜び 名もなき幸せ
五、胸のひかり
胸元の ペンダント揺れ 光れば
まだ見ぬ予感が そっと息する
六、出番を待つもの
寄り添えば 知らない幸せ 息ひそめ
出番を待って 影のよう立つ
七、凪の部屋
風の音 窓の外では 木々ゆれる
ここはただ凪ぐ 海のまん中
八、まるい明日
「大丈夫」 そのひと言が 溶けてゆき
明日へつながる まるい予感に
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




