誰かにとっての真実
原詩:誰かにとっての真実
あなたが言ったことは
きっとあなたにとっての真実なのでしょう
わたしはそれを否定できません
なぜなら
わたしもまた
自分に都合のいい真実を
抱えて生きているからです
公園の陽だまりの中で
子どもが笑うとき
それがあなたの真実になるでしょう
子どものいないわたしにとって
それが少し苦いものでも
真っ赤なネイルで
10センチのハイヒール
それがわたしの真実でも
おしゃれして遊びに出かけることは
あなたにとって夢のまた夢
真実は
その人ごとに形を変える
わたしたちはその形に
寄り添いながら
生きていくしかないのです
でも待って
今ふと思ったのです
わたしが変われば わたしの真実も変わるのかしら
あなたが変われば あなたの真実も変わるのかしら
「真実」は「現実」ではないのかしら
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詩小説:誰かにとっての真実
駅前のカフェで、友人が熱心に語りました。
「子どもが笑うとき、世界は救われるんだよ」
彼女は二児の母で、公園で子どもが転んで泣いたあと、すぐに立ち上がって笑い出したことを誇らしげに話します。
まだ未婚で子どものないわたしは頷きながらも、胸の奥で少し苦い気持ちになりました。
真実は人ごとに形を変えます。
父は「健康こそ真実だ」と言い、毎朝ジョギングを欠かしません。
母は「家族が食卓を囲むことが真実」と言い、鍋を囲む時間を大切にします。
わたしは「新しい口紅を試すことが真実」と思い、ドラッグストアに立ち寄ります。
会社で仕事の合間に、ふと考えました。
わたしが変われば、わたしの真実も変わるのでしょうか。
例えば、もし猫を飼ったら「猫の寝顔こそ真実」と言い出すかもしれません。
もし結婚したら「夫のいびきこそ真実」と笑うのかもしれません。
そんなことを考えていたら、隣の席の同僚が突然、真剣な顔で言ったのです。
すごいタイミングでした。まるで私の考えを読んだみたいに。
「僕にとっての真実は、昼休みに食べるカツカレーです」
わたしは笑ってしまいました。
うん、そんなものかもしれない。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:誰かにとっての真実
子が笑う それだけでいいと 言う友に
頷くわたし 口紅を買う
父の足 朝焼けのなか 地を蹴って
健康こそが 真実だという
母の鍋 湯気に包まれ 囲む夜
沈黙さえも 家族の言葉
昼休み カツカレー食べる 同僚の
真剣な顔 なぜか笑えて
猫の寝顔 もし飼えたなら それこそが
わたしの真実 変わるのだろう
真実とは 誰かの暮らし そのままに
光を当てて そっと見守る
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




