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詩小説ショートショート集  作者: 水谷れい


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27/87

始まりは野音のニャオーン

原詩:狂える日曜日


山手線は名前がさまになってない

だからあまり好きでない

が たまたま田町で乗り込んだ

様々な人が鉛の雨を見る

甘やかされた世代の怠惰にたまらなくなって

有楽町で飛び降りた


雨上がりの銀座の歩行者天国は交通地獄の反映で

日本経済の繁栄が半永久に続くのは

軍国主義復活だといわれアメリカが怖い

だから身体を抱きあえる場所を求めて

日比谷公園は群衆に埋もれ

前衛芸術は野音に生まれ

猫の縫いぐるみが怒鳴る

「野音のニャオーン!」

老人は笑おうとしたが

民主主義の多数決の原理で泣きをみた


噴水の正面に衛生局が

小便小僧を贈与しないので

安心して水を飲むのは

非人道的だと石に刻みつける

意識は陳腐で意地汚い

イエロー野郎め!


エログロすべてナンセンス

モノクロ写真はいいセンス

塵が積もっても

山手線は嫌いです

屁理屈通れば理屈になって

ナンセンスだってセンスのうちで

それがなにより証拠には

奥義なんぞはありません

エコノミック変じてセックス・アニマル

暗に○✕匂わすうちに

錯覚してるんだよキミ

「三木さんは好きだ」

とボクはキミの首を締めながら欠伸をする

「インテリゲンチャの哀しみは地味だ

 が政治の染みは苦しみだ」

とボクは骨を折って言う

「そんなの…うそだ…」

「俺にお礼はいらないよ」

狂える日曜 ありがとう


ーーーーーーー


詩小説:始まりは野音のニャオーン


山手線といっても下町も通っていない?

そう思いながら、彼は田町で電車に乗った。

スーツの群れの中にいて、少しだけうんざりしていた。

もう学生でもなく、決まった仕事もないのだ。


有楽町で、彼はふと降りた。

理由はない。ただ、なんとなく。

雨上がりの銀座の空気が、少しだけ甘かった。


平日だったが、日比谷公園では前衛芸術のイベントが開かれていた。

野外音楽堂のステージで、猫の着ぐるみの女の子が叫んでいた。

「野音のニャオーン!」

その声に、彼は思わず笑ってしまった。

彼女は、大学の演劇サークルの子だった。

「猫の役なんです。都知事選に出馬する猫」

「それ、前衛すぎない?」

「でも、笑ってくれたでしょ?」

彼は、彼女の笑顔に少しだけ心を持っていかれた。


その日から、彼は山手線に乗るたびに、

「今日は有楽町で降りようかな」と思うようになった。


ある日曜の午後。

彼は彼女に会えないかなと思いながら、日比谷の野外音楽堂に向かった。

イージーご都合主義の小説のようにはいかない。彼女の姿はどこにもなかった。

野音では、戦隊ヒーローのショーが行われていた。

そして彼は子どもの時にヒーローになりたかったことを思い出した。


そう、もうおわかりでしょうか。

彼は仮面ライダーを務めた横須賀彗星、野音のニャオーンがすべての始まりだったのです。

もしも、 都知事選に出馬する猫を演じていた彼女がこの話を読んでいたら、連絡ください。

会いたいです、と言ってますよ。


=====


わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。


連作短歌:野音のニャオーン


山手線 下町通らず 田町より

スーツの群れに 少しうんざり


有楽町 理由もなくて 降りてみる

雨上がりには 銀座の甘さ


日比谷に 猫の着ぐるみ 声ひびく

「野音のニャオーン」 笑み奪われて


降りる駅 いつも有楽町 思い出す

彼女の笑顔 心を運ぶ


日曜に ヒーローショーの 声響き

仮面ライダー 夢の残響

詩をショートショートにする試みです。

詩小説と呼ぶことにしました。

その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。

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