灰の観測者
原詩:誰が悲しみを撒いたのだろう!
黒い雲が空を埋めて
黒い雨が街を溶かす
黒い風が空を駆け抜け
黒い炎 街を焦がす
孤児は空に飛び去り
金持ちは地上に蠢く
浮浪者は橋を壊して
役人は川に呑まれる
佝僂病の悲しい子供は
灰になり風に散る
孤児は微笑浮かべて
灰になり空に昇る
涙を抱いたやさしい娘は
灰になり涙は乾く
長い髪の冷たい女は
灰になり髪も残らない
誰が光を消したのだろう!
誰が悲しみを撒いたのだろう!
誰が世界を壊したのだろう!
誰が未来を捨てたのだろう!
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詩小説: 灰の観測者
世界が終わる日、ぼくは屋上にいた。
黒い雲が空を埋め、黒い雨が街を溶かしていくのを、ただ見ていた。
風は黒く、炎も黒く、色彩はすべて喪われていた。
人々はそれぞれの終わりを迎えていた。
孤児は空へと飛び去り、金持ちは地上で蠢き、浮浪者は橋を壊し、役人は川に呑まれた。
ぼくはそれを記録していた。誰に見せるでもない、誰に伝えるでもない記録を。
佝僂病の子供が灰になり、風に散った。
微笑む孤児が灰になり、空に昇った。
涙を抱いた娘が灰になり、涙は乾いた。
長い髪の女が灰になり、髪も残らなかった。
ぼくは問いを発した。
誰が光を消したのか。
誰が悲しみを撒いたのか。
誰が世界を壊したのか。
誰が未来を捨てたのか。
けれど、返事はなかった。
ぼくは灰にならなかった。
なぜなら、ぼくは観測者だったからだ。
この世界が終わるまで、終わることを見届ける役割を与えられていた。
そして、最後の灰が風に舞ったとき、ぼくは立ち上がった。
記録を胸に、ぼくは歩き出した。
次の世界へ。
まだ誰も知らない、色のある世界へ。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:灰の観測者
黒き雲 屋上に立ち ただ見たり
雨は街を 溶かし尽くせり
孤児翔び 金持ち蠢き 橋崩れ
川に呑まるる 役人の影
灰となり 散りゆく子らの 名も消えて
記録の頁に 風だけ残る
問いかける 誰が光を 消したのか
返事はなくて 灰のみ舞えり
観測者 灰にならずに 立ち上がり
胸に記録を 次の世界へ
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




