表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/43

ずるい男と窓辺の女

原詩: ずるいよ


ずるいよ

あたしから目をそらし 窓の外を見ながらため息

まるであたしが 悪いみたいに


ずるいよ

いつのまにか するりと立場が入れ替わり

まるであたしが 悪いみたいに感じさせて


ずるいよ

あなたがしたことは あなたが悪いのではなく

あたしがそうさせてしまったように 思わせるのだから


ずるいよ

あなたをずるいと思うあたしを

とてもひどい人間に思わせる

あなたは ずるいよ


ーーーーーーー


詩小説:ずるい男と窓辺の女


窓の外には、雨が降っていた。

彼はソファに座り、ため息をついた。

視線はずっと窓の向こう。

彼女の方を見ようとしない。

彼女は立ったまま、彼の横顔を見ていた。


「ずるいよ」と彼女は言った。

彼は答えない。ため息だけが、部屋の空気を曇らせる。

「まるであたしが悪いみたいじゃない」

彼は少しだけ眉を動かした。でも、言葉は出てこない。

彼女は続ける。

「いつのまにか、立場が入れ替わってる。

あなたがしたことなのに、あたしがそうさせたみたいに思わせる。

ずるいよ」


彼は立ち上がり、キッチンに歩いていった。背中だけが見える。

彼女は拳を握った。

「あなたをずるいと思うあたしが、ひどい人間みたいに感じる。

そんなふうに思わせるあなたが、いちばんずるい」


沈黙。

雨が窓を叩く音だけが、部屋に響いていた。


彼女はコートを羽織り、ドアに向かった。

ドアノブに手をかけた瞬間、彼が言った。

「……ごめん」

その声は、あまりにも静かで、あまりにも遅かった。

彼女は振り返らなかった。

ドアを開けると、冷たい雨が頬を打った。

でも、彼の視線よりは、ずっとまっすぐだった。


=====


わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です


連作短歌:ずるい男と窓辺の女


窓の雨 ため息ばかり 曇る部屋

視線は外へ 女を見ずに


「ずるいよ」と 声を投げても 返らずに

眉ひとつだけ 動く沈黙


立場さえ 入れ替わりゆく 言葉なく

罪を背負わす あなたの背中


拳握り ずるいと思う この心

ひどい人間 にされてしまう


ドアの前 遅すぎる声 「ごめん」とは

雨の直線 視線よりまっすぐ

詩をショートショートにする試みです。

詩小説と呼ぶことにしました。

その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ