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92話 決戦前日

 ギルド前では着々と討伐の準備が進んでいたが、ゴルダに声をかけて一旦戻らせてもらう事にした。

 その時に借家を出た事を話した。


 こんな状態で話す事ではないとわかっていたが、この騒ぎの中家賃が切れると俺たちが家賃滞納した事になってしまう。

 するとゴルダは「わかってる」と返事をした。



「お前達が教会に身を寄せた事は知ってる。借家の更新も止めておいた」


「あ、それはどうも?」



 何で知ってたのか知らんが、ゴルダだしな。うん。

 今は緊急事態でそれどころじゃないから、落ち着いたら聞いてみよう。




 俺は教会へ戻った。

 教会の地下室はキレイに片付けられていて、食糧や水が運び込まれていた。


 この騒ぎが治まるまで出来れば子供達は地下に隠れていてほしい。

 40人からの子供を数人の大人が連れて逃げるのは無理があるからだ。


 今のところ子供らが地上にでるのはトイレの時だけに限定していた。

 狭い地下室を不安がるかと思いきや、子供は子供で意外と地下室住まいを楽しんでいるようだった。


 ちなみに地下室への入り口は、教会の中庭の中央付近にある水のない噴水の仕掛けを動かすと下へ降りる階段が現れる仕組みになっていた。

 驚いた!この干からびた噴水にそんな仕掛けが!


 この中庭には石像もいくつかあり、もしかしたら何かの仕掛けがあるのかもしれない。


 たとえば…石像を右に三回まわすと目から光線が!とか?

 いや、光線はともかく、廊下の壁に飾られた絵の額縁の裏に謎のスイッチとか、燭台を倒すと謎の扉が、とか。

 今度司祭に聞いてみよう。



 戻った俺を見つけたマルクが手を伸ばして抱っこをせがんできた。

 人見知りとか抱っこ癖って2歳くらいなのか?いや、俺、独身だから知らんけどね。


 マルクの抱っこ癖がでたのもこの騒ぎのせいかもしれない。

 “この騒ぎ”とはゴブリンの氾濫じゃなく、土屋借家乗っ取り事件の事だが。

 ……土屋の氾濫。こっわー。



 今回のゴブリンの氾濫が収まったら、あの金貨で新しい家を借りて、早く落ち着いた生活に戻りたいな。

 それにしても、マジ、ゲームの『30G 』グッジョブ!



 少し落ち着いたマルクを抱っこして地下のみんなのところに戻った。

 アリサを探して女子部屋にいったらヨッシー達もみな女子部屋に来ていた。



「おーおかえりー」

「お疲れ様でした」

「おかえりなさい〜」



 みんなから声をかけられながら隙間を探して座った。

 アイテムボックスを覗いて、子供らみんなで分けられるお菓子を探した。


 チョコやクッキー、お煎餅は数に限りがある。40人以上には行き渡らないな。

 乾パン(やまとの職場からパクったやつ)は結構あるが、それはいざという時の食事だから、おやつじゃないしな。※非常食で有名なビスケットは乾パン、缶パンはパンの缶詰で非常食としては高級品


 あ、グミ発見。

 一袋にちっちゃいグミが30個くらい入ってるやつ。フルーツグミ。味も複数入ってる。

 これ2袋開けたら子供に行き渡るかな?


 ひとり一個ずつってショボいけど、まあ昼食後のおやつだしな。



「グミ食べる人ぉ」



 皆んなに聞こえるくらいの大きさの声で言って手をあげたら



「ハイ!」

「はい!」

「ほしいー」

「はいはい!」



 まっさきにヨッシー、ユースケ、あっちゃん、ユイちゃんの大人組が手を上げた。



「アイ!」


 マルクも釣られてあげた。


「はい?」

「はい」


 ダンとアリサも首を傾げながら手をあげた。



「え? グミ?」

「うそ! グミ? 何であるの? この街でも売ってるの?」



 西野さんと新田さんも手を上げた。



 周りの子供らも何だかわからないがとりあえずといった感じで次から次へと手を上げていった。



「じゃ、ひとり一個ずつね」



 そう言い、グミの袋を取り出してひとつをユイちゃんに、もうひとつを新田さんに渡した。



「ひとつずつ配ってあげて」


「えー、これ、日本のお菓子じゃん。鹿野さん持ってきたんだ」



 新田さんがグミの袋を見て感動しながら言ったが、説明が面倒だから聞き流した。



「ユースケ、2歳児ってグミOK?」


「歯は生えてるから食べられるけど、小さいと誤飲が怖いかなぁ

まぁ大丈夫とは思いますよ」


「大丈夫だよ、うちの子は2歳でマック食ってたぞ。ハンバーガーもポテトもナゲットも食ってた」



 ヨッシー……それはどうかと。2歳でファストフードかい。まぁたまにならいいのか?



「ん〜、誤飲は怖いから3歳未満はグミやめてビスコットにするか」



 そう言ってアイテムボックスからビスコットの箱を取り出して、封を開けて中から出した一個をマルクに握らせた。

 それからアリサに他の3歳未満の子達にも配ってもらった。



 残ったグミは男女別のジャンケン大会になった。

 小さな子達はビスコットが気に入ったようで美味しそうにガジガジと齧っていた。ビスコットがひとつ余ったので



「はい、あっちゃん。お腹の子に」



 あっちゃんに余ったひとつを渡した。西野さんが羨ましそうに見ていた。



「大人は我慢だよ?」



 ヨッシー…ヨダレはふけ。

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