表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/222

9話 資料庫でこっそり魔法使ってみた

 そういえば、魔法、使えるの?

 ステータス画面のスキルに魔法あったよな?

 ふふふふ。



 ゲームの中のウィズが一番最初に覚える魔法を唱えてみた。

 もちろん開いた手のひらを頭上に高く振り上げるという身振り付きで。



「ライトぉ!」



 パアァァァァ


 資料庫が明るくなった。


 マジかマジかマジかまじか!

 魔法「ライト」が使えた!


 うおおおおおお、生まれて初めて魔法使った…。

 宙に浮かぶライトをしばらくながめて感動に浸った。(目がチカチカした)



 せっかく資料庫が明るくなったのだけど、この部屋には鏡がない。

 WIZ服を着た自分を見たいんだけど。

 トイレに行けば鏡はあるが、誰かに会ったら嫌だなぁ。


 こんなわけのわからない状況の中、こっそりコスプレしてる派遣ジジィとか、痛い噂が立ちそうでカンベンだな。


 あ!いい事考えたぞ。


 とりあえずWIZ服はしまってぇ、トイレに行ってみて誰もいなかったら、「ライト」つけてWIZ服を瞬間装備、そして鏡で確認するのだ。

 どうよ?俺、賢いぜ。


 パンツ一丁で笑っていて気がついた。



「そういえば 俺の着てた服はどこいった?」



 床に落ちてはいなかった。

 アイテムボックスを確認したらちゃっかり中に入っていた。


 アイテムボックスから直接装備すると、着ていた服は入れ替わりにボックスへ収納されるようだ。

 よかった。

 落とした服を誰かに拾われたら恥ずかしいもんな。


 ん?

 リアル服が収納されたということは、もしかしてゲーム以外のアイテムも収納可能か?


 確認したい事がまだまだたくさんあるが、今は一旦服を着よう。

 そしてトイレへと向かうのだ。



 真っ暗な廊下に出たら、ライトがふよふよとついてきた。

 ああ、そっか。

 ゲーム内の魔法「ライト」は唱えた者の頭上についてくるのだ。

しかたないのでそのまま廊下を進んだ。


 明るくなった廊下を進みフロアの中央のエレベーターホールを横切り、その裏の男性用トイレへと向かった。


 トイレに入ろうとした時、ふと違和感を覚えた。



 トイレ前の廊下の先、突き当たりにある西側の事務室のドア、さっきまで「ステータス!」だの「フレンド登録」だのと社員さん達が騒ぐ声がドアの外まで響いていた。


 だが、今はシーンとしている。

 何でだ?


 また声も出せないような驚愕事件でも起こったのか?

 それとも部長か副部長が今後の方針でも話しているのかな?


 みんなに注目されないように事務室のドアをそっと開けて部屋に滑り込んだ。



 そこには 誰も いなかった


 え?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ