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84話 教会

 神殿の入り口を探してウロついていたら教会の入り口を発見。


 とりあえずここから入ってみるか。

 誰かいたら神殿の入り口がどこかを聞いてみよう。



「すみませーん、どなたかいませんか? お邪魔しますよ?」



 声を掛けながら返事を待った。


 一応ステータスのマップで確認してみると、神殿がコの字に建っており、空いてる一面に教会がくっついてロの字になってる感じだ。

 真ん中の空間は中庭になっているのだろうか?マップでも真ん中の空間はかなりの広さになっていた。


 自分は今、その中央の中庭の教会近くにいたようだ。後ろ、中庭の奥の方を振り返って見る。

 そこは小さな畑があったり、草や木が綺麗に植えられていた。木々の間には何体かの石像もチラホラとたたずんでいるのが見えた。



 待っていたが返事がないので中に入る事にした。

 教会の中に入り、廊下のような通路を進むと奥から子供の声が聞こえてきた。

 声のする部屋まで行ってみると、中には子供達がいた。



 ダンやアリサくらいの年齢の子供が10人くらい。

 入り口の近くにいた女の子に声をかけた。



「勝手に入ってすまん、神殿に行きたかったんだけど入り口がわからなくて」


「神殿に?このまま廊下をずっと奥まで進むと神殿に行けるよ?」


「え?教会の中の廊下を?勝手に通るの悪いな、中庭に面した神殿の入り口とかないか?」


「あるけどねー、中庭は畑迂回したりいろいろうねってるから結構遠いよ。このままこの廊下通って行った方が早いよ?」



 真っ直ぐ行けばすぐなのにって顔で不思議そうに聞いてくるけど、知らない人んちの廊下をズカズカと進めるほど神経太くないよ。

 一応玄関っぽいとこから入りたいです。



「そっかぁ。じゃあ、教会の人って誰かいるか? 大人の人」


「おじさん……悪い人?」


「いや、悪い人じゃないけど……。それ、聞いて正直に言う人いるのか?」


「大丈夫、私、嘘つきがわかるスキルあるから」



 ほおおお、そんなスキルもあるのか。いや、小説では割とあったか。

 その子は俺をジッと見た後ニコっと笑って言った。



「おじさんは嘘ついてないみたいだから悪い人じゃないね。嘘つく人はね、鼻がヒクヒクするんだって。おじさんは正直者だから、勝手に入っても大丈夫だよ?」



 嘘つくと鼻がヒクヒクって、それスキルじゃないのでは?


 悪い人じゃないという太鼓判をもらったのだけど、このまま教会の中を進んでいいのかなぁ。

 俺をニッコニコの満面の笑みで見つめるその子に断る事が出来ずにお邪魔するしかなくなった。



「あ、じゃ、すみませんお邪魔します」



 その子に手を振って少し薄暗い廊下を真っ直ぐに進んで行った。

 小さな子供の鳴き声がする部屋の前を通りかかったとき、聞き覚えのある声が聞こえた。



 山川部長?


 部屋の入り口から思わず覗き込んだら、そこに山川部長がいた。


 

「部長!」


「ん? おお! 鹿野くん、元気かね」



 3歳くらいの子供を抱えた部長がにこやかな笑顔でこちらにやってきた。



「神殿で寝泊まりしていた者がようやく全員出てくれたので、今朝から僕は教会に移ったんだ。いずれは鹿野くん達と合流させてもらえればと思ってたけど。鹿野くんのとこは6係の大山くんらをお願いしたから部屋はいっぱいだろ?だから教会でいろいろ手伝う代わりにしばらく住まわせてもらう事になった」


「こちらも大人の手が足りていなかったので助かっています」



 突然、年配の女性が横から会話に入ってきた。シスターのような格好だ…教会の人かな?



 聞いてみると教会には現在子供が40人ほどいるらしい。子供と言っても乳児から10歳くらいまで。

 今、この部屋には乳幼児が30人程、残りは洗濯やら掃除やら買出しの手伝いやらで出ているそうだ。


 教会は、御歳59歳の司祭様とシスターが4人で運営をしているそうだ。

 そんなわけで働き盛りの男性である部長は歓迎されたらしい。



「司祭さまにお会いする事は可能ですか?」



 部長に詳細を話す前にまずは司祭様と話をしようと思った。

 するとにっこり笑って司祭さまの部屋に案内してくれた。部長にも同席をしてもらった。



 少しの間10人ばかりを教会に置いてもらえないか、もちろんここの手伝いをする事、少額であるが生活費を入れる事を伝えてみた。

 すんなりOKがもらえた。


 司祭さまと部長の3人で話がしたいと言うと、部長に抱っこされて寝ていた子供をシスターが抱えて部屋を出て行った。




「何? 鹿野くん、怖い顔して。良くない話?」



 部長が俺の顔から何か良くない事を察したようだ。



「はい。結構マズイ話です」



 部長がゴクリと唾を飲んだ音が静かな部屋に響いた。



「街の外で、ゴブリンの氾濫が起こってます。現在ギルドがいろいろ動いているようですが……」


「ゴブリン?」



 部長はゲーム未経験なのか『ゴブリン』という言葉を知らないようだった。



「魔物です。緑の小鬼。身長1メートルくらいで人を襲います。やっかいなのはコイツらゴキブリ並みに増えて人間を襲いまくるらしいって事、それがかなりの数で街からそう遠くない森林に湧いていました」


「この街に近い森林……? そんな近くに?」



 部長よりも司祭の方がハッキリと反応した。



「司祭さまは知っていらしたのですか?」



 ゴブリンと最初に口に出した時、司祭にあまり驚いた様子がなかったので聞いてみた。



「実は先ほど、ギルドから呼び出されてゴブリンが大量に発生したとだけ聞かされました。詳しい事は分かり次第また知らせると言われました」



 司祭は青い顔で続けた。



「そんなに近い場所ですともう……街からの避難は…」


「そうですね。避難は難しいですね」



 俺はハッキリ伝えた。



「だから、篭りましょう。逃げれないなら取る道はひとつ。隠れるしかない」




 俺は念話であっちゃん達に教会にくるように伝えた。

 市場からそんなに遠くないので徒歩で来てもらう事にした。



 皆んなが到着したら部長と教会側も巻き込んで、作戦会議だ!


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