67話 街で生活し始めて半月くらい
さて、お昼を食べ終わったがどうしよう。
半分壊れた家は綺麗になくなり更地になり、煉瓦と木は隅の方に積まれていた。これ以上やりようがない。
さっきの親方にこの続きをどうしたらよいか聞きたいが、親方の名前も居場所も聞いてない!俺とした事が迂闊だったぜ。
明日以降に大工ギルドから誰か来るとか言ってたが、親方自身が大工ギルドっぽい言い方ではなかった気もするし。
「どうしようか? 今日はもう解散にするか?」
皆んなに問いかけると、皆んなも同じような事を考えていたようで同じような答えが返ってきた。
「だなー。もうする事ないしな」
「このあとの手順とか聞いてませんでしたね。迂闊でした」
「いや、普通、こんなに早く終わらんし……」
ロムがボソっとツッコんだ。
「だな。」
ダンがさりげなくロムの言葉に頷いた。
「よっし! じゃあ今日はこれで終了な。えぇと今日はギルドに戻らなくていいのかな?」
「あ、そうですね。たしかこの依頼は、今日のみではなくて作業終了までとなってましたね」
「じゃ、直接家に帰るとして、ロムってどこに住んでるんだ? ダンやアリサのいたとこと同じスラムってことは西門の方か?」
「あ、ああ、そうだけど…」
「んじゃ、西門までテレポで送ってくよ。みんな集まれぇ」
みんながゾロゾロとロムの周りに集まったのを見てテレポした。
「エリアテレポート!」
あっと言う間に西門横の木の裏に飛んだ。
「ロム、お疲れさん。明日の朝ここに迎えに来るからこの辺で待っててな」
「え、あ、はい。え、あ、」
「んじゃーなぁ、オツカレー。ロム」
「お疲れさまです。ロムくん」
「お疲れさん。ロム」
「ロムお疲れ。気をしっかり持て」
テレポートに慣れずにオドオドしていたロムに皆が声を掛けてるのを聞いたあとテレポートで家に戻った。
「ただいまぁ」
「おかえりなさい。早かったですね」
「ただいま戻りました」
「つっかれたー。いや、疲れてなかった? ただいまー」
「た、ただい、ま」
「おかえりー」
「リーリー」
「おお、マルたん。ただいまな」
そんな感じで俺たちはギルドで探した仕事で日銭を稼ぎつつ、何とか毎日を送っていった。
毎日お腹は空くし、働けば疲れるし、夜は眠くなるし、この日々は、もはやとても「夢」とは思えないくらい現実そのものだった。
現実……というには地球の日本とかけ離れすぎてるが。
けれど謎な事に日本語は普通に通じる。
謎と言えばゲームが反映されているステータスも謎だ。
だがどんなに謎に包まれていても、とりあえず生きる事をやめずに、毎日進んでいくしかない。
夢と現実と異世界が混ざったようなこの世界で。
「というわけで、第何回か忘れたけどやまと会議を開きまぁす」
夕飯の後の片付けが済んだタイミングで皆んなに声をかけた。
くつろいでいた皆んながテーブルに集まってきた。
「そろそろ月中だしさぁ、収支の中間決算しようかと思って」
みんなの稼ぎを入れていた缶をテーブルに置いた。結構重い。
稼いでも日々の食費なんかで出てしまい、そんなに貯まってはいないのではと思っていたが、予想より重いな。
あっちゃんがハーイと手を上げて発言を始めた。
「えと、このノート、昨日までの半月の収益合計と、食費等で使った支払合計、で、残ったお金の合計が書いてあります」
「さすがだな。あっちゃん」
ヨッシーが感心した顔で言った。ユースケがノートを覗き込みながら感嘆していた。
「予想以上に貯まりましたね」
「ギルド依頼がコンスタントにあったから助かったな」
「雑用は大人は受けたがらないし、子供にはキツイから普通はこんなに連日受けれない。みんなが異常、あ、普通でない、えと、すごい?から?てか、カオさんの魔法がすごいのか」
ダンくーん、今、異常って言った?まあいいか。
「来月の家賃を取っておいて、残りをどうする?最初の予定通り人数で割って小遣いにするか?」
「あの」
ユイちゃんが手を上げた。
「今回の余剰分は必要な物の購入に使ってはどうでしょう」
「あ、うん、私もそれ考えてたー!日常品でまだまだ足りない物あるし、今回はそっちで使わせて欲しい」
「そうだなぁ。人数で分けると大した額にならないし、今回は日常品の必要経費にすっか」
「あ、俺パンツほしいー」
「ああ、僕もほしいですね、下着とか」
「よっし!じゃあ、明日は仕事休みにして、皆んなで買物に出るか!」
「じゃあ、どうしても欲しいものとか書き出そう〜」
あっちゃんの提案で、皆んないろいろ意見を言い始めた。
買物一覧を作り、優先順位振って、明日は買物に行く事に決まった。




