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63話 早くも第3回やまと会議

「テレポート」


 ギルドの裏庭に出た。

 近くの木の根元にヨッシーとユースケが座り込んでいた。



「カオっるうううううん」


「カオさん、すみませんご足労いただいて」


「お疲れさん」



 ふたりに近寄って行き、エリアテレポートで自宅へと連れ帰った。



 自宅の裏の井戸の横をブックマークしておいたのでそこに出た。

 ふたりに手を洗ってザッと身体を拭うように伝えて中に戻った。あっちゃんママに怒られるからね。



 少しするとふたりは顔や手を濡れタオルで拭いながら中に入ってきた。

 ヨレヨレと。だが、何故か顔はキリリとしていた。




「第3回 やまと会議をするぞおおおおお」



 ヨッシーが大声を放った。



「はああ? 今から? 何で急に…」



 俺は思わず訝しげな顔になった。あっちゃんも怪訝そうにしていた。



「ヨッシー、もう夕飯にしますよ」


「あ、そういえばユイちゃんは?」


「ユイちゃんはー、さっき念話があって、ちょっと遅れるからご飯先に食べてってー」


「あ、そうなんだ」


「ヨッシー。会議はご飯食べてユイちゃんが帰ってきてからでよくないか?」



俺はそう言ったのだがヨッシーは頑固に仕切り始めた。



「いや今すぐだ。第3回やまと会議を始めます!」




 俺もあっちゃんも困惑顔になってしまった。ダンとアリサはしきりに首を傾げている。



「あの……俺たち部屋に戻ってましょうか?」



 気を使って自分の部屋へ行こうとマルクを抱き上げたが引き止めた。

 これから一緒に暮らす上でこういう事は頻繁にあるだろう。

 ある程度は知っておいてもらった方がよい……かもしれないと考えて引き留めた。



「第3回やまと会議、タイトルはスウェットについて」



 ヨッシーがそう言ったところで、みんなの視線が俺に集中した。正確には俺が着ていたスウェット上下をガン見された。


 まずヨッシーが発言。


「カオるんー? それ、ユニシロのスウェットだよな?」



 次にユースケ。


「何で持ってるんですか? ユニシロのスウェット」



 あっちゃん。


「職場の防災グッズにスウェットなんてないはずー。毛布とか銀色のシートとかはあったけど着替え系はないはず。あ、カオっち個人の防災グッズ?」



 ようやく俺のターンだ。


「そそそ。資料庫に貯めてた俺個人の防災グッズ」



 ドヤ顔を決めた俺の肩をヨッシーが掴みガコンガコンと揺らした。



「なあ、それ一着だけ? 他にない? あるだろ? あるよな? もっとあるよな? 出せ出せ出せ、吐け」


「あ、ありま、すぅ」



 ガクンガクン揺さぶれらながら答えた。



「スウェット上下10着あるから、とりあえずひとり2着なら…」



 俺はアイテムボックスからスウェットを取り出した。サイズは男性のフリーサイズ。ヨッシーもユースケも大丈夫。



「女性陣には大きすぎるかもしれないけどパジャマ代わりならいいだろ。あ、もちろん新品だから大丈夫、汚くないよ」



 それぞれに渡した。

 ユイちゃんの分はあっちゃんのアイテムボックスにしまってもらった。さすがにダン達子供らには大きすぎる。



「あとは…シューズとスニーカーが二足ずつある」



 ヨッシーとユースケはロッカーに革靴(通勤靴)はあったが、革靴も職場で履いていたサンダルもどちらも異世界での仕事向きではない。

 靴のサイズがあえばシューズの方が動きやすいはずだった。


 アイテムボックスからシューズとスニーカーを出すとふたりは履いてサイズの確認をしていた。

 さすがに靴は女性陣にはデカすぎるだろう。



 お金の余剰が出来たらこちらの世界の履き物も買いたいものだ。

 他に……今、出した方がいい物あるかな?とアイテムボックスを覗いた。


 うぅむ?

 あ。


 マイ防災グッズの中からお菓子を見つけた。職場のビルの地下1階にあるコンビニで買ったお菓子。


 煎餅類は日持ちしないからそんなに保管出来なかったが、チョコやらクッキーやらは結構保管していた。

 そして、オフィス街のビルのコンビニで誰が買うんだこれ?と疑問に思いつつとりあえず買ったグミやラムネ菓子もある。



「これ、マルたん食べるかなぁ。」



 カラフルなラムネ菓子を出した。ダンとアリサが俺の手の中の袋を覗き込んだ。



「何ですか?これ」


「色とりどりの……石?」


「いや、石じゃなくてラムネって言うお菓子なんだけど」



 袋を破って中身を出した。ダンとアリサに差し出すと、ダンが恐る恐るピンクの粒を摘んだ。



「食ってみ」



と言ったが、指に摘んだままかたまっていたので、2〜3個摘んで自分の口に入れてみせた。



「ラムネなんて食うの久しぶり。何年……何十年ぶりだろ」


「ちょーだい! 私も食べたいー」



 あっちゃんが手を伸ばしてきて袋の中のラムネを摘んで口に入れた。



「俺にもくれー」



 ヨッシー、ユースケも手を伸ばしてきた。

 それを見たダンも摘んでいたピンクの粒を恐る恐る口に入れた。



「あっま! うっま!」



 ダンの目がまん丸になった。



「最近のラムネって甘いのなぁ。俺が子供の頃のは結構酸っぱかった覚えがあるんだがな」


「カオるん、いつの生まれだよ」


「悪かったなぁ。昭和だよ」


「いや、俺も昭和だけどさ、ラムネ甘かったぜ」


「そうなん?」



 話しながらポリポリ食べていた。



「ストーップ! ちょっと皆んな食べ過ぎ! これマルたんのオヤツでしょ」



 あっちゃんの声に我にかえった。


 アリサも一粒自分の口に入れて味を確かめたあと、マルクの口に入れてあげた。



「ウマー! ウマー」



 マルたんの可愛い叫びが上がり、みんなホンワカした。

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