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56話 第一回やまと会議

「さて、第一回やまと会議を開きます」



 ちょうどリビングに全員いたから唐突に宣言してみた。もちろん会議名はテキトー。


 このよくわからない異世界転移においてやはり情報共有はこまめにやっておいた方が良いと考えた。



「えー、本日の会議のテーマはお金稼ぎです。明日からギルドの依頼を受けてみんなで働きたいと思う。そこで得た収入はいったんこの缶に入れてください」



 リビングのテーブルの上にチョコの缶を置いた。職場で輪ゴム入れとして使っていた某ランドのお土産チョコの空き缶だ。



「チョコ!」


「いや、残念ながら輪ゴム入れだった」


「なんだ輪ゴムか」



 3人がちょっとガッカリした顔になった。



「毎日稼いだお金をここに貯める。そしてこの缶から日々の生活費を必要に応じて使い、最後に来月の家賃、銀貨5枚を取る」



 皆がふむふむと話を聞いている。



「家賃を引いて余剰があればみんなで分けておこづかいとする。中松さんは妊婦さんなので、留守番として家事を中心に頼んでもいいか?お願いする家事は、炊事、洗濯、掃除など。掃除は共同部分だけなので、自分の部屋は各自自分でお願いします。あと、トイレ掃除は週一で交代制にしよう」


「ハーイ!」



大森さんが手を挙げた。



「洗濯も各自が良いと思いますが」


「うん、パンツとか下着は自分で洗いましょう。ただシーツとかタオルは、日中洗って昼間干してもらえたらと思います」


「ああ、なるほどです」


「はい!」



 今度は織田さんが手を挙げた。



「収入が生活費と家賃に足りない場合はどのように考えていますか?」


「う〜ん。月中くらいに缶の中のお金を確認しようか。足りなそうな時は家賃の5銀貨を優先で、食事は乾パンになる」


「乾パン?」



 不思議そうな顔をした石原さんの前に、アイテムボックスから乾パンの缶をひとつ取り出して置いた。



「ジャーン。乾パンです。やまと商事の災害対策用グッズからパクってきた。ちなみにみなさんのベッドにかけている毛布も災害グッズからパクってきたものだ」


「マジかー」



 石原さんが驚いていた。



「よくあのドサクサで持ち出せましたね」



 織田さんは感心をしていた。



 そこで置き去りにされてからあそこに一泊した時の話をした。



「で、夜になる前に詰めるだけ詰めて持ってきた」

 


 さらにまだ詳しく話していなかった俺のステータスの話もした。と言っても俺自体がステータスをまだよく確認検証していないので、まあ、簡単なとこだけ話した。


 魔法の話になった時には目の前で"ライト"を見せた。



「すげぇ……すげえな、鹿野くん」


「魔法いいですね。僕らも使えないかな」



「ライト! スーパーライト!! ファイアーボーーール!」



 石原さんが突然立ち上がって魔法を唱え始めた。



「ファイアー! ファイヤー! いでよ炎よ! カメハメハーアアア」


「いや、ステータスのスキルに魔法が載っていないと出ないから。というか家の中で試すのやめて。万が一でも出たら火事になるから。つか最後のやつ何だよ、それ出たら家が吹っ飛ぶから」




 話もひと区切りつき、夕飯にでもしようかと皆んなで準備を始めた。



 ドンドンドン



「こんにちは、すみません」



 アリサがやってきた。

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