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35話 ギルド登録

「ここだよ」



 アリサが建物を指差して言った。


 ほおお、これが噂(?)の冒険者ギルドか。


 三階建てのレンガで出来たどっしりとした佇まいの建物を下から上へと眺めた。

 目の前にあったかなり大きめのドアに手をかける。


 振り返り、アリサにここで待っていてほしいと伝えた。宿とか店とか他にも案内をしてほしい場所があるのだ。


 アリサは頷いて、ギルドの壁に寄りかかり腰をおろした。

 登録に時間がかかるかもしれないな。

 そうだ!と思いつき、アイテムボックスからクラッカーを取り出した。

 昨夜食べたクラッカーの小袋を取り出してアリサに渡した。



「待ってる間にこれでも食べてて」



 さてギルド入ろうと、ドアを押した。


 ドアを押して中に。…………、押して、ドアが開きませんが!


 もしかして今日はギルドは休みなのか?ギルドって何曜日が休みなんだ?その前にこの世界に曜日ってあるの?


 てか、ギルド休みだとヤバイィ。アリサにお駄賃渡せないぞぉ。俺もスラムで野宿になるよぉ。


 と、ドアの前でモタモタしていたら、突然背後から脅された!



「おい、おっさん邪魔だ。どけ」



 おっさん声におっさん言われた!

 いや、ええ、おっさんですけどね、俺。


 でもって、これ、異世界テンプレ!

 “ギルドで絡まれる"きたああ!主人公が初めてのギルドで絡まれるやつ!


 ビクビクしながら振り返ったら、デカくてゴツイ男がぶっとい手を伸ばしてきた。

 ひゃいっと慄いたら、ぶっとい手は俺を通り過ぎて、ドアの把手を掴んで引いた。


 はい。引いた。


 ギルドのドアは押すんじゃなく、外側へ開く扉でした。恥ずかしいぞ。俺。ギルドは休みじゃなかった。


 ゴツイ男が入るのに続いて俺も中に入った。



 昼過ぎという中途半端な時間のせいか、中はガランとしていた。


 入ってすぐの部屋はそんなに広くなくカウンターがあった。

 んー、小さい郵便局みたいな?カウンターの向こうにひとり座っていた。郵便局員、じゃなくてギルド職員かな。


 扉のない続き間の隣部屋は結構広くて、病院の待合室のようにたくさんの木の椅子があった。

 壁には掲示板のようなものもあり、中央には二階へ上がる階段もあった。


 あ、なんかゲームっぽい。

 その奥にも部屋があるようだがそっちは扉がしまっていたので中は見えなかった。



「おい、おっさん? 何か用か」



 おっさんに、また、おっさん言われた。

 いいけどね。49だし?ステータスは39ってなってたけど、39も立派なおっさんだ。



 さっきのゴツイ男がカウンターの中へ入りながら、俺に話しかけてきた。

 ゴツイ男はチンピラでも冒険者でもなく、なんとギルド職員だったようだ。


 交代で食事に出ていたそうだ。

 あれ?ギルドって酒場とか食堂とかないの?小説とかだと必ずあるよね?とどうでもいい疑問が湧いた。とにかく登録だ。



「登録したいんですが、初めてで、あの、どうすればいいですか?」


「この玉に触ってみろ」



 ゴツイ男がカウンターの下からボーリングの玉のような丸くて重そうな石を目の前に置いた。


 こ、これが噂の、アレだ?

 触ると犯罪歴とか魔力とかがわかるやつだ、きっと。

 そんでもってチートな主人公は触った途端に目が眩むような光が出たり、玉が割れたりするんだ。



 ドキドキしながらボーリングの玉に手を乗せた。


 …………割れないし光らなかった。


 俺は“チートな主人公”ではなかったんだな。(ちょっとショボン)

 数秒後にゴツイ男、名前はゴルダさんだそうだ、ゴルダさんが鎖のついた名刺大のプレートをくれた。



 プレートはギルドカードであり身分証明書でもあるそうだ。


 見るとそこには『カオ ランクE パーティなし』と、情報が記載されていた。


 ボーリングの玉スゲェ!


 いつのまにプレートに彫り込んだ?コードレス?コードレスで情報を送ったのか?

 異世界半端ないな。現代ニッポンよりずっと進んでいないか?



 登録料の銅貨3枚を請求されたので、正直に一文無しなのを告げて買取をしてほしいのとそこから登録料を引いてほしい事をお願いしてみた。


 すると、隣の部屋の奥に買取の部屋があると言ってゴルダさんがそっちに案内してくれた。

 ゴルダさんは見た目に反して良い人だなぁ。


 ところで何歳なんだ?ゴルダさん…。20代……じゃないだろ、30…から50代?

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