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33話 街到着

 街の入口にたどり着く前に犬達をしまった。


 呼び出した召喚獣や犬の戻し方がわからなかった。ゲームのように画面内のどこかにクリックするとこがあるわけじゃないからな。

 適当に「サモン返還」と唱えたら3匹の犬が一瞬で消えた。

 送還かな?とも思ったけど返還で出来たから返還でいいのか?


 そう言えば、ゲームでは犬は町のペット屋で出し入れしてたし、召喚獣は10分で自動的に消えたのだ。

 やはりゲームとは違うな。まあ、いいか。

 ついでに弓と矢筒もしまって、身ひとつで街の門へ向かった。





 街は石壁のようなもので囲まれていた。

 石壁の高さは3メートルくらいだろうか?ボコボコとした古い石壁は登ろうと思えば簡単に乗り越えられそうだ。


 また、石壁を背にして木や布で仕切ったテントのようなものがそこいら中にできていた。

 祭りの出店?とも違うか。かなりボロくて汚れたり破れてたりしているし、そこに転がって寝ている人も目につく。


 テント村というか……ああ、日本でたま〜に見かけたアレに近い。

 ダンボールとか青いビニールシートで生活している人たち。


 街に入れない人達のスラムのようなものか?もしかするとあまり治安のよくない街なのかもしれない。

 そう思いながら門へと近づいた。




 門には槍を持った門番?門衛?みたいな人が2人立っていた。


 俺の前にいた旅人みたいなおじさんは、入る時に門番に何かを見せていた。

 やはり入門には身分証が必要らしい。


 とりあえずあの作戦、『野グソしててみんなとはぐれました大作戦』を実行に移した。



「すみません! あの、俺みたいな身なりの団体が来ませんでしたか? さっき腹痛くなっちゃって、みんなからちょっと離れてう○こしてたらみんないなくなっちゃったんですよ。探したけど道に迷うし! もー、みんな! どこだよ?! やっとここ見つけて、もしかしてみんなここに来ませんでしたか!」



 一気にたたみかけるように訴えた。勢いで入れてくれないかなって思ってさ。

 門番のおっさんは驚いた顔半分でちょっと引いていた。



「ああ……、ああ、さっきの団体さんか。通ったぞ。半時前くらいか?」



 よっし!さらにたたみかけるぞ!



「よかったぁ、やっと追いついた! それでみんなどっちの方に行きましたか? あ、俺、身分証とか持ってないんですけどみんなどうやって入ったんかな。団体証とかですか! 俺も一緒なんですけど! 遅れたら入れない? ダメですか!」



 門番のおっさんにグイグイと迫ってみた。おっさんはタジタジになりながら通してくれた。



「大丈夫だ。このまま通ってまず神殿へ行くといい」


「神殿?」


「あの団体さんはいっとき神殿預かりになると言ってたな。神殿はこのまま大通りを真っ直ぐ行って大きな四つ角を右に行けばわかる」


「ありがとうございます!」



 ペコペコと頭を下げながら門をくぐった。



 うっし!無事、"街入り"成功ぉ。思ったよりゆるかった。

 犯罪者を見極める水晶に触らされるとか、入門審査とか、仮なんちゃらの発行とか、何もなかった。


 大丈夫かな、この街。悪者が入り放題じゃないか?

 でもまぁおかげで俺も入れたわけだけどね。





 これが異世界の街かぁ。

 通りや周りの街並みをしみじみと見回した。

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