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27話 町へ向かう準備③

 召喚モンスターの一覧を見ていて気がついた。


 おおおお!犬がいる!俺がゲーム内で飼っていた犬達だ!

 ちなみにゲームでは、犬は召喚獣枠ではなくペット枠だった。


シェパード (クラシック)

ドーベルマン (エンカ)

セントバーナード (ゴスペル)


 カッコ内はゲームで俺がつけた名前だ。懐かしいな。


 ゲームでサモン魔法はレベル30にならないと覚えられない。しかし、ペットはレベル5から使用可能なのだった。

 なのでプレイヤーはまずペットを狩りのお供にする。

 そしてレベル30を超えたら召喚獣をお供に狩りをするのがウイズの定番だった。


 その辺のゲーム仕様をよくわかっていなかった俺は当然(ペット)を持っていなかった。

 サモン魔法を覚える前、俺のレベルがまだ低かった時に単騎でよく死んでいる俺を見かねて、クラン(血盟)の仲間がある日、犬をくれたのだ。



〜〜〜回想〜〜〜


「何でこんな街の近くで死んでるんだよ!」


「イ、イノシシ、踏んだ」




「何でまた死んでるんだよ!」


「……オオカミ踏んづけた」


「踏むなよ! てか、カオさぁ死にすぎ」





「カオるんさー 犬持ってないの?」


「そうだよ ウィズは紙装備で死にやすいんだから犬必須やろ」


「犬……?持ってない」


「はあぁ?」


「犬…どこで買うの? 売ってる店おせーて」


「いや、売ってねえよ」


「犬は自分で捕まえるんだよ」


「……どうやって?」


「殴ってエサやる それでオケ」





「カオるん 何でまた死んでるんだよ」


「犬…捕まえようとして…噛まれて死んだ…」



「わかった やるよ俺の獲った犬」


「マジ? ありがと!」


「ほら これ シェパードな」


「あ、俺も余ってるからやるよ セントバーナードだけど」


「僕も余ってるから ドーベルマンですけどどうぞ」




そうして俺はクラン(血盟)仲間から三匹の犬を貰ったのだった。


〜〜〜回想終わり〜〜〜



 貰ったときは3匹ともレベル5だったので犬は俺と一緒に成長したものだ。

 狩り中に初めてクラたん(シェパード)を死なせたときは、パソコンの前で大泣きしてしまったっけ。いい歳したおっさんが。


 実物の俺がパソコンの前でグシグシ泣いてる間、ゲームキャラの俺は死んだ犬の前でボーゼンと立っていたわけだが、通りがかった親切な人が声をかけてきた。



「死んじゃったの?」



パソコン前でグズグズ泣きながら俺は返事を入力した。



「はい」



 そしたら突然、クラたんが生き返った!



「これもあげるよ」



 地面にポイと復活スクロールを置いてくれたのだ。

 慌ててクラたんを生き返らせてくれた人にお礼を言った。


 地面に置かれたものについて聞くと、こちらが初心者とわかったみたいで、復活スクロールについていろいろ教えてくれた。

 犬に限らず人も生き返らせること、売ってる店のある街の名前、スクロールの使い方などなど。


 いい人だ〜。何度もお礼を言った。

 クランアジトのある街に戻って、クランチャットでその話をしたら逆に驚かれた。



「復活スク持たずにやってたのかよ」



 え?みんな持ってるもんなんだ?

 ゲーム素人のおっさんにはゲームの常識がわからなかった。

 というか、ゲームの情報をみんなどうやって入手しているのか不思議だった。


 それからクランチャットで、他にもいろいろなスクロールがあることを教えて貰った。


復活スクロール PTの仲間やペットを復活させる

帰還スクロール 一番近い街へ瞬間で帰還できる

アジト帰還スクロール アジトに瞬間で帰還できる。

テレポートスクロール ブックマークした任意の場所へテレポート出来る

解呪スクロール 呪い(状態異常含む)を解くことが出来る

解析スクロール ドロップを解析出来る



 そうそう、ドロップアイテムで革のサンダルが出たので履いてみたら脱げなくなった事あったな。

 クラン仲間に相談したら解析スクで“呪われた革サンダル”と判明したっけ。



「呪われたサンダルぅ?そんなんあるんだ…」


「呪いは“一生脱げない”だったよな」


「うそ! マジかぁ…」


「いや、そんな時こそスク使えよ。こないだ教えたろ? 解呪スク」



 おおおぅ、脱げてよかった。


 クランのみんないい人だったなぁ。

 ゲームをやめて10年くらい経ってるけど、みんなどうしてんだろう。


 と過去の思い出に浸ってる場合ではない。


 とりあえず目の前の一覧からシェパードを選んで触って見た。

 次の瞬間、目の前に光が集まったと思うとシェパードに変化した。


 キチンとお座りして俺をジッと見ている。

 恐る恐る呼んでみた。



「クラたん?」


「ワフ!」



 ガァァ!返事したよ!


 クラたんに近づいて撫でてみた。


 おお!モフモフ。ちょっと毛足の長い高級絨毯みたいな?というか、シェパードって思ってたより大きくてびっくりした。賢そうだし優しそうだし。

 あ、そうか!シェパードって日本でも警察犬として活躍しているもんな。


 残り2匹も出してみた。



「サモンモンスター!エンカ! サモンモンスター!ゴスペル!」



 ドーベルマンとセントバーナードが現われた。

 デカイ。デカイな。


 ドーベルマンの黒光りで艶やかなビロードのような毛並み、セントバーナードはフワフワモコモコ、そんで俺が乗れそうなくらいデカイ。


 ヤバイ、かわいい。

 ゲームのパソコン上で飼うのとは違い、実物大(?)は格別だな。

 俺を見るキラキラクリックリの目とモフモフモコモコツルツルの毛の感触。死なせたくないどころかケガもさせたくない。

 モンスターと闘わせるとかNOだ。


 かと言って、ひとりで草原を越えられるかというと無理だ。

 うむぅぅと唸って悩んでいたら、



「バフ!」

「ワンワン!」

「バウバウ!」



 吠えながら俺に身体を擦りつけてきた。力強い目で俺たちを信頼しろと言っているようだった。


 うん。わかった。

 4人、いや、ひとりと3イッヌで街を目指すことに決めた。


 一応、復活スクと赤ポ(レッドポーション=回復薬)をアイテムボックスから出して、ズボンのポケットに入れた。


 あ、俺、ウィズだったっけ。

 まぁいざという時にMP無かったら困るから、スクとPOTは必須だよな。


 さて、では街に向けて出発しますか。



 3匹のイッヌにもヘイスト魔法かけて走り始めた。


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