23話 社員たちは
中松さんからメールが届いていた事に気がついた。
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おはようございます、鹿野さん
昨夜は無事に資料庫で過ごせたみたいでホッとしました。
今は森を抜けてる最中かな?
気をつけてくださいね。
さっき女性騎士さんから聞いたんですけど
昨日別れたあとのみんなはもうノロノロで、結局大して進まずに野宿になったそうです。
騎士さん達は大変だったみたい。
森を抜けたとはいえ草原にも危険な獣はいるし、森ほどではないけど魔物も出るらしいです。
魔物って何!何なのおおお。この世界どーなってるの!
私達、何でここにいるんですかー!
あ、話がズレちゃった。
騎士さん達が大変だったのは魔物ではなくて、やまとのみんながすごかったかららしいです。
足痛い、疲れた、歩けない、腹減った、ここどこ、もうヤダ、って、移動中も野宿中も文句タラタラだったらしいです。
朝一番に早駆けで戻った騎士さんがこぼしていたと、女性騎士さんが苦笑いしてました。
同じ社員として恥ずかしかったですよ!
私は荷馬車に乗せてもらってラクしちゃったので何も言えませんが、
ひたすらすみませんでしたと頭を下げまくりました。
野宿組は今朝早くにそこを出発して街へ向かうそうです。
昼頃には街に着くはずと言ってました。
森を抜けたとこから街までは普通に徒歩で5〜6時間らしいですが、彼らだと8〜9時間はかかるだろうと言ってました。
鹿野さん、追いつくのは無理だと思うので森を抜けたところで待っていてもらえますか?
みんなが戻ったら騎士さんに馬で迎えに行ってもらえないか頼んでみます!
またメールします
どうか無事に森を抜けられますように!
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中松さん、ホント良い子やのう。おじさんちょっと涙が出たよ。
中松さんに急いでメールを返信した。
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中松さん
情報メールありがとね
こっちは大丈夫、無事に森を抜けたところです
何でこんなに速く森を抜けられたかは後で話すよ
あと、騎士さんのお迎えはいらないよ
大丈夫 秘密の奥の手があるから
今日中には街に入るつもりです
あ、でも、あいつら(島係長とかおばちゃんら)には俺の事は話さないでね
大森さんには情報共有OKです
ではまたメールします
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さて展開していたマップを最大まで見えるように広げてみる。
例えるなら、今までは都内のマップだったが、今度は日本地図にした感じだ。(いや、そこまでデカくは出来ない)
森の中では敵との距離感をわかりやすくするためにクローズアップしたマップにしていた、つまり都内がわかる地図だった。
しかし今回は最大まで広域化して出来るだけ遠くまで見たい。だから大阪も福岡も見えるように日本地図にした感じ。(いやだから、そこまでデカくならない)
おお!いたいた、黄色い点の塊……というか長細い塊。
マップには草原と、どこに繋がっているかわからないが蛇行している道のような筋が映っていた。
その道らしき筋を黄色い点の塊がダラダラと伸びたように映っていた。
その道を進んでいくとたぶん街に到着するのだろう。
とりあえず街の方向は掴めた。森から見て上……ほぼ真北か。(この世界でも上は北なのか???)
俺は、彼らに合流するつもりはない。
この後どうするかなと考えていたら、また、う○こがしたくなった。
走って身体を動かしたのと行き先(街)が解明して安心したからかな。
昨日はゾンビ(赤い点)のせいで落ち着かず、出し切った感がなかったからな。
今しないと便秘になりそうでいやだなぁ。
草原になったらバフォ変身は出来ないから、町までどのくらいかかるかわからない。
草原に公衆便所なんてないよな?……我慢できないかも。
今ならすぐ後ろは森。
木がある。
というわけで、すぐそこの大木の陰で野グソした。
………………ふぅぅ。
し終わってスッキリしたらそこに落ちている自分のう○こが目に入った。
このままにしていくのは人として、文明人として、イカンな。
うん、こんな時こそアレだ!
魔法だ!魔法があるじゃないか。




